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INTERVIEW

ENTER SHIKARI

2012.01.10UPDATE

2012年01月号掲載

ENTER SHIKARI

Member:Roughton "Rou" Reynolds(Vo&Syn)

Interviewer:MAY-E

-今年はアメリカのWARPED TOURに参加するなどしていましたが、まずはバンドの近況を教えてください。

やっと自宅に戻れたところなんだ!1週間ほどクリスマスのお休みがあるんだけど、それが過ぎたら、とにかくリハーサルにかかりっきりになる予定だよ。まだまだ新作アルバムの曲をいっぱい練習しなきゃいけないし、どんな風にライヴでやるかも考えないといけないからね。

-先行シングル「Gandhi Mate, Gandhi」がUKチャートの1位を獲得しましたね。おめでとうございます。早くも新作『A Flash Flood of Colour』の手ごたえを感じていると思いますが、いかがですか?

今回のアルバムのサウンドはかなり多様な内容になっているから、この曲がアルバム全体を表しているとは僕は言えないけど、もちろんこの曲と同じようにアルバムにもとんでもないリリックだとかリフ、シンセサイザーがいっぱい入っているけれど、同時に今までで一番繊細なサウンドの作品になったとも思うし、その他にも様々なスタイルを取り入れたアルバムになってるんだ。

-前作『Common Dreads』から約2年半、いよいよリリースされる今作『A Flash Flood of Colour』ですが、より多彩なエレクトロ・サウンドが詰め込まれた作品ですね。具体的にどのようなサウンドを目指しましたか?

具体的にこんな方向性のサウンドにしよと意識的に考えたことはなかったんだ。今回の楽曲は、それぞれ別に制作をしたから、ひとつひとつに独自のテーマやサウンド、感触があると思う。実は今回のアルバムは、アルバムの流れや全体としてどんなサウンドにしたいか、ということにあまり意識を向けずに作った初めての作品なんだ。その結果、それぞれの曲が個性を発揮できるようなスペースが生まれたんじゃないかな。

-「Stalemate」のようなアコースティック・バラードもありますが、これまでになかった"音"が各所に散りばめられた最もエレクトロなアルバムだと言い換えることも出来る作品だと思います。今作で特に工夫した点を教えてください。

このアルバムでは、それぞれの楽器のサウンドをどのように1つにまとめるか、ってことに今まで以上にフォーカスしたんだ。ギター、エレクトロニクス、ベースとシンセサイザーの間の線がぼやけて消えるまで、すべてがまとまってひとつの形を成すようなインスツルメンテーションを目指したつもりだよ。

-このようなエレクトロ・サウンドをロック・バンドとして消化する苦労もあったと思いますが、いかがでしょうか。

正直言って、僕は自分たちをロック・バンドだと思っているわけでもないし、エレクトロ・バンドだと思っているわけでもない。音楽を作ってるだけ、それだけなんだ。だから、最終的にはどんなジャンルでカテゴライズされてもそこまで気にしないんだよね。僕らの音楽は常に進化しているし、決まった形には絶対はまらない。だから、誰かが友達に僕らの音楽を紹介するときには好きなように呼んでくれて構わないよ、その人が気になって聴いてくれるのであればそれで良いんだ。個人的には、自分たちをロック・バンドとは言わないけどね。それは大工を木こりと呼ぶみたいなもんだからさ。

-特に興味深いのは、シングル「Gandhi Mate, Gandhi」と、これまでになかったテイストの「Warm Smiles Do Not Make You Welcome Here」です。アルバムを代表して、これらの曲の背景を教えてください。

「Gandhi Mate, Gandhi」は元々僕のダブステップ・プロジェックト"Rout"のための曲だったんだ。ライヴで曲の反応がいつも良かったから、ギター・リフを足すことを考えて、バンドのみんなに協力してもらってENTER SHIKARIの曲に変換したんだ。この曲のテーマはもちろんGandhi(ガンディー)と、彼がどのように人々のネガティヴな感情に向き合っていったか、というところにインスパイアされてるんだ。とは言え、トラックのサウンドとヴァイブは彼の教えとは程遠いテイストになってるけどね! 「Warm Smiles Do Not Make You Welcome Here」は、メディア文化と資本主義が、芸術、特に音楽をどれだけ弱めているか、ということをテーマにしているんだ。リフとシンセのラインは要チェックだよ。

-その「Warm Smiles Do Not Make You Welcome Here」を聴けば分かる通り、Rouのヴォーカルのアプローチにも幅が広がっていますが、ヴォーカル面で拘った点はどこでしょうか。

多分ENTER SHIKARIを始める前や、ENTER SHIKARI以外の様々なサイド・プロジェクトではもっと色んな歌い方をしてたんじゃないかな。今の僕たちは以前よりもバンドとして自信を持てるようになったからこそ、日々もっと多様なサウンドにトライしたりスタイルの幅を広められるようになったんだ。それに、僕らは同じスタイルの音楽を何回作っていると、すぐ退屈になるし落ち着かなくなっちゃうんだ。そんなの工場の生産ラインで働いて、毎日同じことを何回も繰り返してるのと同じだよ、バンドで食っていこうって決めた理由はその毎日の繰り返しを避けるためだったって言うのにさ!ちなみに、タイのラムを飲んでヴォーカルを録音するのは、新しい経験だったよ。パフォーマンスもレベルアップするし(笑)!