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INTERVIEW

ANGELS AND AIRWAVES

2011.11.09UPDATE

2011年11月号掲載

ANGELS AND AIRWAVES

Member:Tom DeLonge(Vo&Gt)

Interviewer:山本 真由

-ニュー・アルバム『Love : Part Two』のリリース、おめでとうございます。
驚きの“無料配信”という形でリリースされた前作『Love』から1年半強という短いスパンでのリリースですが、レコーディングはスムーズでしたか?

レコーディング自体はスムーズだったよ。全体的なことを言えば随分とやることがたくさんあって、必ずしも全てが素早く進んだってわけじゃないんだけどね。この“LOVEプロジェクト”自体が5年前から始まっていて、アルバムの発売が始まったのがここ2年くらいのことで。『Love: Part One』として出した前回のアルバムは作った作品の中から最初の半分を選んだということなんだ。それで、それを無料で配信して、今回残りの曲を今回発売したということなんだよね。だから今回最終的に形にできて、リリースすることができるのは嬉しいよ。

-過去に何度かリリース前に音源がリークするという事件を経験しているAVAですが、前作『Love』を無料配信した背景には、その事件の影響もあるのでしょうか?

うん、実は今回の『Love: Part Two』もリークしちゃったんだよね。前回の『Love』はデジタル配信で且つ無料だったこともあってリークしなかったけど。こういうことって結局自分たちではコントロールできないことだから。できるだけのことをして対応するしかないと思ってるんだ。

-また、今回『Love』と『Love: Part Two』、そしてアメリカ版には、映画『Love』という映像作品も付いているとのことですが、そういったパッケージでリリースすることになったのは何故ですか?

まず今回の“Loveプロジェクト”では他のアメリカのロック・バンド、世界のロック・バンドがやっていないようなことを積極的にやっていこうじゃないかっていうコンセプトがあって。俺たちのアーティスティックな意欲みたいなものをどうやって見せていこうかって考えたんだ。今までのような、ただレーベルに所属してCDを出すだけのスタイルではいけないと思うようになったからね。リスクを負ってでも新しいことに挑戦したかった。だから映画を作ることもそういう流れの中で産まれたアイディアなんだ。

-その映画『Love』というのはどのような内容になっているのでしょうか?

国際宇宙ステーションで足止めを食らった宇宙飛行士が居て。彼は地球が崩壊するのを窓から目撃して、それ以降誰とも連絡が取れなくなってしまう。でも彼はいまいちその原因が分かっていない。彼は完全に孤立してしまうという状況に耐える様子が描かれている。俺たち自身は映画に出演していないんだけど、この映画がアルバム『Love』そして『Love: Part Two』の延長線上にあるものと位置づけているんだ。

-サウンドに関してですが、物語を語るような説得力のあるTomのヴォーカルが印象的に感じられました。歌詞の世界観などは歌い方に反映されているのでしょうか?

そうだね。ここ数年でだいぶん色んな歌い方ができるようになったと思うんだ。俺自身の性質はパンク・キッズのままなんだけど(笑)、AVAはプログレッシヴ・パンクっていうような位置づけのものだから、今回のアルバムでは今までに使ったことのないような声のトーンとかにもチャレンジしてる。色んなチャレンジをしていく中でヴォーカルとしても成長できたのは誇りに思ってるよ。

-シンセサイザーを多用しながらも、力強いドラムや、壮大なギター・サウンドに主軸をおいた音作りは、特撮を駆使して作られた70’s/80’sのスペース・オペラ(スターウォーズ初期3部作など)を思い起こさせ、CGバリバリの現代的SF=オートチューンやエレクトロに頼り切った現代的音楽に対するアンチテーゼのようなものを感じました。制作する上でそういった意識はありましたか?

特にアンチテーゼというつもりはないけど、AVAは凄くエレクトロニックなものを取り入れつつ、強力なギターやドラムのサウンドを使うことでロックンロールとエレクトロを上手く繋げようとしているんだ。自分たちなりの形でね。この自分たちなりの形は今後もドンドン進化していくと思うよ。

-また、作品に影響を与えたSF作品や、お気に入りのSF映画や小説があれば教えてください。

Stanley Kubrick監督の『2001年宇宙の旅』の影響は物凄く大きいね。それから『ブレード・ランナー』も大好きだ。『スターウォーズ』とかの古い作品も好きだね。俺たちは未だに子供みたいにサイエンス・フィクションが大好きなんだ。楽しいからね(笑)。

-ラインナップについては、07年に元30 SECONDS TO MARSのMatt Wachter(Ba)が加わりましたね。AVAの音楽性は、30STMのドラマティックな音作りに元々繋がる部分があったのではないかと思いますが、MattはAVAのサウンドにどのような変化をもたらしましたか?

彼はエンジニアリングやピアノ、エレクトロニックとたくさんの新しい要素をバンドにもたらしたんだ。彼は加入した時点で既に成功したミュージシャンだったからね。本格的にシンセサイザーとかを導入できることになったのは彼のお蔭だよ。