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INTERVIEW

DIR EN GREY

2011.08.09UPDATE

2011年08月号掲載

DIR EN GREY

メンバー:Toshiya(Ba)

インタビュアー:MAY-E

破壊的なヘヴィ・サウンドから一転、はっとするほど美しい旋律が零れ落ちる。神も悪をも超越した究極のエクストリーム・サウンド……DIR EN GREYの新作『DUM SPIRO SPERO』とは、そういうアルバムだ。
日本のみならず世界的にも高い評価を得た前作『UROBOROS』から2年9ヶ月振りにリリースされる8thアルバム『DUM SPIRO SPERO』。ピアノの美旋律から徐々に展望していくノイジーなバック・サウンドに、グロウル、ガテラルを駆使した京の猟奇的なスクリームが共鳴し、息も出来ないほどの緊張感をもたらすオープニング・トラック「狂骨の鳴り」。そこから、不協和音が織り成す奇妙な浮遊感の中、オペラのようなファルセットをきかせた京のヴォーカルがまるで呪文のようなフレーズを歌う「THE BLOSSOMING BEELZEBUB」へと展開する。冒頭の2曲だけで、まるで終わりのない深い旅へと誘われるような感覚である。その他、超強力な先行シングル3曲「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」「LOTUS」「DIFFERENT SENSE」を含む全14曲が収録。様々な要素をブレンドした持ち前の独創的な音楽性に加え、日本語、英語、さらにはラテン語までも引用し、よりジャンルレスで謎めいたものへと深化した『DUM SPIRO SPERO』。今作に隠されたメッセージを、メンバーのToshiya(Ba)氏に伺った。

-以前Toshiyaさんはインタビューで「武道館ライヴで『UROBOROS』は幕を下ろすという形だった」と話してくれましたが、そのタイミングで披露されたのが今作『DUM SPIRO SPERO』に収録されている「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」でしたよね。あの武道館ライヴが、『UROBOROS』から、まだ見えていない次回作へのターニング・ポイントだった、ということでしょうか?

うん、そうですね。そう受け取ってもらって構わないですよ。

-「激しさと、~」を含め、『UROBOROS』から今作『DUM SPIRO SPERO』までにシングルが3曲リリースされています。アルバムの直前にリリースされたシングル「DIFFERENT SENSE」は、アルバム『DUM SPIRO SPERO』の予感させる仕上がりであったと思うのですが、今作『DUM SPIRO SPERO』のヴィジョンはいつ頃から見えていたものですか?

「激しさと、~」の時は全く見えていなかったですね。ただ、「激しさと、~」の頃から既にアルバムへの曲作りは始めてはいたんですよ。全体像が見えたのは……実はレコーディングを終える2、3ヶ月前ですね(笑)。だから、今年の4月くらいです。

-そうでしたか。今作『DUM SPIRO SPERO』の仕上がりは本当に素晴らしく、『UROBOROS』よりもアルバム全体の世界観を重視にしているようにも感じました。念頭に明確なテーマやコンセプトを置いて制作に臨んだのだろうと予想していたりもしたのですが、意外とそうではなかったということですね。

そうですね。最初にそこまではっきりとしたテーマを持っていた訳ではなかったんです。やっている最中は無我夢中でした。アルバムが出来上がって思ったのは、生命力を感じるアルバムになったな、と。今、生きている感じがすごく伝わるアルバムになったと思います。

-そうですね。DIR EN GREYのアルバムは、いつも制作工程の途中でテーマが見えて行く感じですか?

はい、そうですね。だけどいつもは、足りないパーツがあればそれを補うものを作ろうとしていたんですけど、今回はそういう風に考えていなくて。もちろん大まかな流れはあるんですけど、無理やり作って填めるんじゃなくて、とても抽象的な言い方ですけど、降りてくるのを待っていたっていう感じでしたね。

-今作も独創的なアルバムに仕上がっていますが、制作中にはどんなことにインスパイアされましたか?

具体的にこれというのは無いんですけど、今回は自宅でヒーリング・ミュージックをよく聞いていましたね。アルバム一枚が民族系のものとか、ボサノヴァとか、そういうものを流していました。

-そういう感覚も、今作『DUM SPIRO SPERO』に取り入れられていますよね。それはToshiyaさんが持ち込んだもの、ということなのでしょうか。

いや、そういう訳でもないんですよ。皆それぞれ、こういう音楽だったら自分たちがもっと楽しめるかなって考えてやっていました。

-ベースラインも、変則的なリズムでありながらとても躍動感がありますね。ベーシストとして今作ではどのような点に苦労されましたか?

パーカッシヴなフレーズやスラップを多用しました。あとは、さっきの民族系のアルバムを聴いていたって話もしましたけど、「「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟の理念と冷たい雨」のBメロでは、民族系のフレーズをベースで取り入れた点ですかね。プリプロの段階で入れ込んだものなんですけど。プリプロからレコーディングまでに、リフだとかをガラッと変えた曲なんです。大まかな骨組みはありましたけどね。自分の中では、あのBメロのフレーズがすごく気に入っていて、デモだけじゃなく本番のレコーディングでも入れてみました。
今までとは手法を変えて、ちょっと冒険してみようと思ったんです。それは、実は「激しさと、~」から始まってはいたんですけどね。