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INTERVIEW

PANIC! AT THE DISCO

2011.05.07UPDATE

2011年05月号掲載

PANIC! AT THE DISCO

Member:Spencer Smith(Dr)

Interviewer:ムラオカ  Interpreter:ジンジャー国田

-お帰りなさい!ファンのみんなはあなたがたの帰りを待っていましたよ。 『Pretty. Odd.』リリースから3年、RyanとJonの脱退などいろいろあったと思います。この3年間を振り返ってもらっても良いですか?

最初の1年、1年ちょっとかな、ずっと『Pretty. Odd.』のツアーをしていた。ツアーが終わると、バンドのこれからを話し合うようになった。ツアー中に曲作りをしていたんだけど、みんな同じ方向に進んでないことがわかったので、最初の2作を作っている時と同じ気持ちじゃないってわかったんだ。それでみんなやりたいことがあるからそっちに進むって話し合って、Brendonと僕がこのバンドを続けて、曲作りをしようって決めた。再スタートになるから、どんなアルバムにするかしっかりとしたビジョンを持ちたかった。1年くらいかけて曲作りとレコーディングに費やして、数ヶ月前に終えたばかりだ。

-『Vices & Virtues』(邦題:悪徳と美徳)リリースおめでとうございます。 アルバム・タイトルである『Vices & Virtues』(邦題:悪徳と美徳)ですが、このタイトルに込められた意味を教えてください。

最初はこのタイトルがあったわけじゃなくて、レコーディングの最後の方になると、歌詞を見直しているうちに、偶然にも似たようなテーマというか内容だったことに気づいた。自分たちはいろんな変化を経て、一時期は混乱してどうなるかもわからない時もあったけど、乗り越えることができて、アルバムを作って完成することができたから、このタイトルが一番自分たちが通った道を現していると思ったんだ。

-全米ではリリースしてから約1ヵ月経ちますが、ファンの新作への反応はいかがですか?

素晴らしいよ。何をどう期待していいかわからないけど、バンドのことを知っている人たちはメンバーの脱退のことをわかっていたので、PANIC! AT THE DISCO ではあるが、新しいものだって理解してくれていた。曲作りをしている人が変わったから気に入ってくれるかどうかわからなかったけど、ネットで様々な反応を耳にすると、まだ僕たちに興味を持ってくれる人たちがいて、まだファンのままの人がいるだけでなく、今まであまりチェックしてくれなかったような人たちが新しくファンになってくれたり、かなり驚いた。

-プロデュースを手掛けているのはJohn FeldmanとButch Walkerのお2人ですが、それぞれ2人の役割はどういうものだったのでしょうか?

本当はこのアルバムをButch Walkerに頼みたくて、そのつもりで進めていたんだけど、彼がツアーに3ヶ月出るって聞いて、どこでレコーディングするかとか、どうやってやるか考えないといけなかった。Johnとは友達だったので、彼の自宅にあるスタジオで曲のデモを作ることにした。でもやっている内に、それらの曲をアルバムに入れたいと思ったので、そのままレコーディングに入った。僕たちってリラックスした感じで、朝起きるのが遅く、それからスタジオで作業に入るみたいだったけど、Johnのお陰で仕事に対する考えが変わり、朝起きて、仕事して、一生懸命やるってことを教えてくれた。それからButchが戻って来たので、彼と1、2曲やるつもりだったが、6、7曲やることになった。Butchのスタジオは機材がすごくて、本当に楽しくレコーディングできた。彼は偉大なソングライターなので、僕たちの曲作りに大きな影響を与えてくれたと思う。どっちからもとても学ぶことができたよ。

-臨場感溢れる重厚なプロダクションは聴いていて本当に気持ち良いですね。あなたがたの望むサウンド・プロダクションになったのではないでしょうか?

そうだね。僕たちが2年前に、不安だった部分だったけど、徐々に理解できたと思う。最初の頃の曲は自分たちが望んでいたサウンドではなかったので、時間をかけて満足行く作品になったと思う、『Pretty. Odd.』ではアナログのビンテージ風なサウンドを追求していたので、そのいい要素と新しいテクノロジーを取り入れて、バランスよくやりたかったんだ。

-アルバムを聴かせていただきましたが、本当に素晴らしくてビックリしました! シングルにもなっているTrack.1「The Ballad Of Mona Liza」から始まって、Track.6の「Ready To Go(Get Me Out Of My Mind)」まで全く息付く暇も与えない展開ですね?

これは意識的だったんだ。ただ、その中にいると、何度も何度も聴いているし、時間をかけて取り組んでいるから、あまりエキサイティングでなくなるんだ。シングルを選ぶだけでも、何が良いのかわからなくなる。初めて耳にするものだったら心が打たれて選べるだろうけど、Track.1「The Ballad Of Mona Liza」はファーストとセカンドを意識した作品になっていると思うし、「Ready To Go(Get Me Out Of My Mind)」は今の自分、これからの自分を現している作品だと思う。最後に作った曲なんだ。

-前作『Pretty. Odd.』で身に付けた懐古的でドラマティックな展開と、1stアルバム『A Fever You Can't Sweat Out』(邦題:フィーバーは止まらない)のダンサブルでエレクトロな要素が素晴らしい融合を遂げていますね。さらには新しい要素もたくさん感じられます。今作はあなたがた自身としてはどのような作品にしようと考えて制作したのでしょうか?

そうだね、これはさっきも話したけどそれ以外に、歌詞に関してもどんなことについて歌いたいか決まってなかったし、二人が脱退してからあまり会話にしなかったんだ。でも話をしないと、人は僕たちがあえて語らないんだって思う。だからそれについての内容もあるんだ。新しい影響も取り入れている。常に音楽を聴いていると、常に影響を受けているものだからね。自分たちがどのような作品にしたいかって理解するまで時間はかかった。曲作りとレコーディングするまでははっきりしなかったと思うんだ。

-Track.4「Memories」のメロディ・ラインはTHE SMITHSなどのインディ・ポップの匂いも感じたのですが、そのような音楽からの影響は実際受けていますでしょうか?

レコーディングに時間をかけて良かったことは、いろんな音楽を聴くことが出来たんだ。古い音楽も、新しい音楽も聴いていた。THE ARCADE FIREのニュー・アルバムがレコーディング中にリリースされていて、あのアルバムはすごく聴いたし、とても好きなバンドなんだ。でも面白いことに、両親が聴いていた音楽を僕たちは聴いて育っている。60年代、70年代の音楽なんだけど、80年代になると彼らは音楽を聴かなくなって、若かった頃に聴いていたものを聴き続けていた。僕たちは90年代に育ったので、10年くらいブランクがあって、ポップヒットしか知らない。友達が教えてくれて、すごくかっこいいバンドを沢山知ることができた、例えばXTCやTHE SMITHSやTHE CUREも数年前に知って、好きになったバンドだよ。それから、友達のバンドがやっている音楽で気に入っているものもある。STEEL TRAINというバンドのシンガーのJackと仲が良くて、よく聴いている。それからこんど一緒にツアーをするFUNというバンドもよく聴いているよ。

-アルバム全編通して聴いていると曲ごとにも十分楽しめるのですが、アルバムの流れも絶妙だと感じました。アルバムに一貫してのコンセプトやテーマもあるのではないでしょうか?

そうだね、一貫したテーマ的なものはある。曲の作り方が様々で、曲によって違うので、曲に合わせて歌詞を考えたり、歌詞が先に出来て曲のインスピレーションにしたり、同時進行だったりする。メロディと音楽を一緒に作った方が流れ的にまとまると思うんだけど、本当にこればかりは曲次第なんだ。