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INTERVIEW

BLACK VEIL BRIDES

2010.11.18UPDATE

2010年11月号掲載

BLACK VEIL BRIDES

Member:Andy Six(Vo)

Interviewer:ムラオカ

-2006年オハイオ州シンシナティで結成されたとのことですが、結成の成り行きについて詳しく教えてください。

実際には14歳の頃に始めたんだ。既にその時に自分のバンドへのビジョンをはっきり持っていた。MOTLEY CRUEやKISSが俺のアイドルだったから、超人的でスーパー・ヒーロー的なイメージを求めていたんだ。
シンシナティというすごく不思議な場所にいたから、結成からラインナップも変わったけど、3年半くらい前に今のメンバーと出会ってね。LAに移って、いろんな人たちとも知り合いになった。パーティーで知り合ったり、紹介されたりして、その人たちが特別な音楽を聞いていたり、フィーリングがあっていたら、バンドをやらないかって誘ったりしたんだ。

-ロサンゼルスを拠点にしているとのことですが、80年代にロサンゼルスにはLAメタルという髪の毛を盛ったり化粧をしたりと煌びやかなハードロックがロック・シーンを席巻していましたが、まだあなたの生まれる前の話ですが、当時のシーンについてどのような印象を持っていますか?

そうなんだよ、オレは90年代に育ったけど、その時代は俺が興味を持つものがほとんどなかった。運悪く80年代ハード・ロック・シーンの後に生まれているから、実際あの当時のヒーローたちを自分の肌で感じることができなかった。その後のKurt Cobainやグランジ・シーンには全く魅力を感じなかったよ。ロック・スターになるべき人たちやヒーローになるべき人たちにはLAのシーンのようなあの超人的なイメージが必要不可欠だと思う。自分はそのシーンと関わりが持てたような気がしたし、その一部になれると思って育った。でもグラム・バンドはなんかイマイチ的を外していたみたいだったから、オレはそれを今、しっかり伝えるのが使命のような気がするんだ。オレにはパンクの要素とMOTLEY CRUEやKISS のスーパー・ヒーローの要素があると思っている。

-BLACK VEIL BRIDESを初めて聴いたときにAVENGED SEVENFOLDの若かりし頃に感じたのと同類の無尽蔵の可能性をヒシヒシと感じました。こういった周りからの期待が重圧になることはありませんか?

正直、音楽をやっている以上、自分がビッグになるとか、成功するって気持ちがないなら、何のためにやっているの?って訊きたくなるよ。もしプレッシャーになっていたらそれは間違った理由でやっているような気がする。自分がうまいんだ、自信があるんだって公言しないバンドが多すぎると思う。期待されたり、他人に"俺たちはビッグになる"って言うからこそ、みんなの前で演奏できるんだと思う。MOTLEY CRUEやKISS があれだけビッグになってなかったら、スターになりたいという夢すら子供の頃に持たなかったかもしれない。

-アルバム『BLACK VEIL BRIDES』は全米では今年の7月にリリースされていますが反応はいかがですか?初登場36位だったと聞きましたが。

最高だったよ。アメリカで"モノをいう"ビルボード・チャートのトップ40以内で初登場し、数週間で4万枚売れた。デビュー作はまだ小さなレーベルと契約していたので、ディストリビューションも限られていたのに、そこまで昇り詰めるられたのは素晴らしいと思う。リリース前は全く無名だったから、多くの人を驚かせたかもしれない。リリースしてから一週間も経たない内にRolling Stone誌に載ったのも凄かったね。今のアメリカって、流行るものは、人が好きになる要素を事前にセットアップしているので、俺たちみたいな例外は珍しいんだ。キッズに"なりたい自分になれ、ステータスとか宗教とか、社会に順応する必要はない"って伝えているので、それが俺たちの活躍で証明できたと思う。

-初めてのフル・アルバムの制作だったと思いますが、満足のいくものができましたか。

まだ予算がなくて、1,000ドル以下で制作したアルバムだったんだ。限られた予算で作った最大のものなので、みんなとても誇りに思っているよ。マネージャーと一緒にプロデュースし、全て自分たちで行なったから、パンク・ロックのアティテュードと俺たちの美学を備えた一枚で、はっきりとメッセージを伝えることに集中したよ。

-このアルバムであなた達がリスナーに最も訴えかけたいことを教えてください。

このアルバムを聴いて、自分にも力があるんだって思ってくれるだけで十分だよ。結局パンクでもメタルでもハード・ロックでも、音楽って1曲4分くらいの間に、人に勇気や力を与えるものなんだと思う。今以上の人間になれるって気持ちにさせてあげたい。これを訊いて、もっと何かやりたいって思ってくれたら、それだけで俺は満足だよ。俺は南部で育ち、1年半も苦労して車で寝泊まりして生活してきた19歳なんだから、俺がうまくいくんだったら、皆うまくいく可能性を持っているって伝えたい。ロック・スターは神が空から"はい、どうぞ"って授けた者じゃなく、本当に苦労や努力してその地位についた者たちだから、俺たちのライヴに来てくれて、同じようなメイクをしてくれる人たちを見ると、本当に心打たれるんだ。

-あなたはあまり歌詞を鮨詰めにするタイプではなく単語一語一語をゆっくりと大事に歌っていますね?これは意識してのことでしょうか?

いや、意識ではなく、これが俺なんだ。とても孤立した場所で育ったので、歌を歌うのは聖歌隊とかでしかなかった。幼い頃から自分が歌えることに気づいて、人と違う声だと分かっている。でも人間はみんな顔と同じように声が違うんだ。毎晩俺は一緒に唄おうって観客を誘うんだけど、その時、誰かに似せようとか、俺と同じように歌おうと思わないで、自分の声で歌ってくれって言う。声や心や感情は十人十色だからね。俺も歌い方とか声とかはロックに向いていないって言われてきたけど、それが間違っているって証明したくて、自分らしく歌うことに決めたんだ。

-あなたは化粧を落とすと非常に美しい顔立ちをしていますが、アーティスト写真にはゴスでダークな雰囲気のメイクをしていますね?こういったメイクをしようと思い立ったのはなぜでしょうか?

子供の頃に呼んでいたコミックはバットマンやウルバリンと言った、ダークなものだった。そして同じく、子供の頃にオレは普段と違う自分のAndy Sixというキャラクターを作り出し、そのキャラクターを通して自分を表現したり、空想したりして、当時学校や社会でイジメにあっていた俺はそうやって憎しみや疎外感と向き合うことができた。ダークなメイクはそこから来るものなんだ。

-またバンドのビジュアル・コンセプトがありましたら教えてください。

ビジュアル・コンセプトは今言った、イジメとかを経験した時に思いついたもので、現代のスーパー・ヒーローになりたいという発想から。メイクやレザー、スタッズなどはスーパー・ヒーローのイメージを出したいから。バットマンやファンナル・ファンタジーのキャラクターになりたいという思いから。普通の人のイメージより、そういうイメージがあった方が人は注目するし、聞いてくれる。

-早くも2ndアルバムのデモ制作に入っているとのことですが、次作は何時頃リリースしようと計画しているのでしょうか?またどのような作品に仕上がる予定なのでしょうか?

多分2011年の上半期中だと思う、MOTLEY CRUEやAEROSMITHなどのプロデュースを手がけてきたMarti Frederiksenという、アメリカでは有名な人をプロデューサーに迎えて制作しているんだけど、この数ヶ月の間は曲作りに専念している。今の所は6曲ができている。まだデビュー・アルバムがリリースされたばかりで、鮮度があるうちに次の作品に取りかかりたいんだ。ファンをがっかりさせたり、長く待たせたくない。

-11月以降の予定を教えてください。

UKツアーに出る予定なんだ。20公演くらいあって、イギリス、スコットランド、アイルランドを回る。その後、2月にMURDERDOLLSと一緒にツアーをやる予定なんだ。アメリカに戻って、レコーディングしてからまたヘッドライナーとしてサーキットするよ。