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INTERVIEW

SiM

2010.10.04UPDATE

2010年10月号掲載

SiM

Member:MAH(Vo&Gt)

Interviewer:TETU★KID

-3部作の第一弾としてリリースされる『LIVING IN PAiN』を聴かせて頂きました。今のSiMの勢いが現れている素晴らしい作品だと思います。この作品を完成させた現在の率直な感想を教えてください。

そう、勢いがある曲を入れたかったんですよ。バンドが復活した勢いを音源にも封じ込めたかったんです。作品を通して聴いてみても勢いが出ていて良いなと思うし、途中でスローな曲を入れずに突っ切ったのが良かったですね。

-“LIVING IN PAIN”直訳すると痛みの中で生きる。今回テーマが『苦痛に耐えながら生き抜く』というものですね。いつの時代にも当てはまる普遍的なテーマだとは思うのですが、今回このテーマを掲げた理由はなんだったのでしょうか?

スクリームする、叫ぶという行為は本来、何かに怒りを感じていたり、何かに苦しんでいる時に出るものじゃないですか。だから怒りや苦しみがテーマの歌をうたう時に、叫ぶというのは自然なことだと思うんです。だけどたまにラヴソングなんかでスクリームしているのはなんか違うんじゃないって自分では思っていて。今作は負の感情を込めた曲が多くなってるんですが、全体的にネガティブな感じにはしたく無くて。負の感情はあるけど、でもそういう悪い状況をプラスにできることがあるんじゃないかって思って歌詞を書いているときに、この言葉が出てきたんです。だからこの“LIVING IN PAIN”という言葉をタイトルにしました。あとCDの一曲目は「JACK. B」にしようって最初から思ってたんですよね。曲順も結構成り行きで決めた感じなんですけど、狙った訳じゃないですが良い流れになっていると思います。

-なるほど。

歌詞が一貫しているのでコンセプトを決めるときに考えやすかったというのもあるんですけど、今回のタイトルと歌詞を生み出せたのは自分の中で本当に大きかったですね。『LIVING IN PAiN』と対になる曲がセカンド・ミニ・アルバムに収録されているのでそちらも楽しみにしてもらえると嬉しいです。アルバムはまだ書いていないから、細かいことは言えないけど、凄い作品になると思ってます。

-ジャケット写真拝見しました。強烈なメッセージが込められているなと一見しただけで感じてしまうのですが、このジャケットが持つメッセージは何なんでしょうか?

実はこれの前にもう1つジャケット写真が上がっていたんですが過激すぎてNGになりました。ジャケットもアルバムを作るつもりでいたんで、“LIVING IN PAiN”というタイトルからすると少しづれるかもしれないけど、視点を変えれば苦痛の中で生きてる人達を踏み台にしている人間もいるということを表現してみたかったんです。収録曲の「FUCK iT ALL」とかそこまで政治的な内容は言っていないんですが、今の政治はすこし違うんじゃないのっていうメッセージも含まれています。表面だけじゃなくて歌詞カードの中のデザインもかなり凝っているので、是非手にとってみてください。

-“今は音楽が溢れ出て来てしかたがない”と仰っていましたが、今作の制作はスムーズに進んだのでしょうか?

年明けに合宿をして、みんなで寝泊りして、起きたらすぐにスタジオに入って曲を作って、ということをしていました。合宿入りする前に10曲ほどのデモはあったんですが、その持ち込んだデモ曲はスムーズに進まなくて、合宿内で生まれた曲が先に完成するなんてこともあって。SiMの場合スタジオの残り時間10分で曲ができたりとか、そういうパターンが多いんですよね。苦労はもちろんしているんですけど、曲を作ることを心底楽しめたので苦労した感覚はまったくなかったですね。緻密に考えて作ると面白みは無いですね、自分の閃きを信じて曲を作ってます。緻密な曲は好きじゃないんですよね、思いついて頭から離れない、そんなものを曲にしようみたいな感じです。

-今年の4月からギタリストSHOW-HATEの急病によりライヴの全公演キャンセル、三ヶ月間のインターバル、そして10-FEETが主催する京都大作戦での完全復活。京都大作戦のライヴの盛り上がりは各方面から聴いているのですが、三ヶ月間溜め込んだパワーを一気に放出できたライヴだったんじゃないでしょうか?京都大作戦での思い出のエピソードなどがあれば教えてください。

何気にSiMは2年前の京都大作戦にに出てるんですよね。その当時はさっき話したとおりにツアーにも出たことが無くて、まったくの無名で僕らのステージのお客さんは殆どいなくて。その思い出があるから今回の出演も不安でした。2ステージあると当日にならないとお客さんの入りは判らないじゃないですか。もしかしたらみんなメインステージの方に行っているかも知れないし、可能性はゼロではないし。で、腹を括ってステージに上がってみると、フロアが人でパンパンになってて、本当に泣きそうになりました。2年間やってきた年間100本を越えるライヴも決して無駄じゃなかったんだと思って本当に嬉しかったです。地道にやってきたライヴ活動が実った瞬間だと思いました。もちろん自信にも繋がりましたね。ライヴの内容もお客さんに100%答えることができた内容だったし、良かったです。本当に。