DIR EN GREY | 激ロック インタビュー 


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DIR EN GREY | 激ロック インタビュー

DIR EN GREY:薫(Gt)

インタビュアー : MAY-E

DIR EN GREY Official-Site

DIR EN GREY

 彼らのライヴに足を運ぶのは、約3年振りだった。その間にも海外の高い評価と華々しい活躍ぶりは何度も耳にしてきた訳だが、迎えた3月の川崎でのライヴには、以前にもまして“衝撃的なバンド”へと進化を遂げたDIR EN GREYの姿があった。
 アルバム「THE MARROW OF A BONE」や「UROBOROS」は、ヘヴィ・ロックとして十分に楽しめる楽曲が詰まっているが、ライヴではその猟奇的な世界観が一層深く、濃厚に映し出されるのだ。静寂から一転、リズム隊の重圧感に圧倒されるブルータルなパートを介したスリリングな展開。いくつもの人格が宿っているかのように何種類ものスクリームを使い分け、激しく体を揺さぶりながら吐き出される京の咆哮―――。
いけない世界に踏み込んでしまったような感覚を覚えながら、ステージからひと時も目が離すことが出来なかった。TOOLやKORNが引き合いに出される理由がよく分かる、そんなライヴだった。
 4月29日発売のライヴDVD「TOUR08 THE ROSE TRIMS AGAIN」には、そんな彼らのリアルな姿がパッケージされている。洋楽ファンの方々にも、今一度DIR EN GREYに付きまとう固定概念を取っ払って、オープンなマインドで彼らのライヴを見て頂きたい。バンドの近況を、バンドのリーダーである薫(Gt)に訊いた。

-今回のツアー中に大阪と東京で男性限定ライヴを行なっていますね。面白い企画だなと思ったんですが男性限定ライヴを設けた目的は?

単純に、男が思う存分に暴れられる機会を作ってあげるのもいいかなと思ったのと、今の男ファンはどういう奴らが居るのかも知りたかったし。うちは女の子のファンが多いんですけど、最近は男のファンも増えてきたこともあって。差別ではないんですが女の子には怪我をさせられないというかね。もちろん男でも無茶しない程度で楽しんでもらいたいですけどね。

-DIR EN GREYって、対バンをしているイメージがないのですが、単独公演をサポートしたいという若手バンドもたくさんいるんではないかと思いますがいかがでしょうか。

うん、そういう話も聞くんですけどね。なかなかタイミングに恵まれないというか。あとは、やる面白さがお互い合えば、ぜひやりたいとは思っているんですけどね。それがなかなか、うまく合わないんですよね。

-なるほど。キャリアのあるバンドだと、一緒にツアーに連れてまわって、若手バンドを育てたりするバンドもいますよね。

そうですね。俺たちも後輩バンドはたくさんいますよ。彼らのことも、もちろん応援はしていますけど、どちらかと言えば「自分らで頑張れ」って感じですかね(笑)俺たち自身、誰かに育ててもらったとか、そういう感じでは全くなかったんですよ。先輩のアドバイスを聞いて、ついて回ったりした経験が全くないバンドだったんで。ここまで俺らだけでやってきた感じですね。だから余計に「自分らで頑張れよ」っていう気持ちの方が強いですね。自分たちの世界を作って、自分たちだけで頑張っているバンドの方が、俺は可愛がりたくなりますね。熱いハートを持っているやつはほんと沢山いるんで。

-漠然としたイメージですが、DIR EN GREYはある種、孤高の存在という感じがしています。それってとても貴重だと思うのですが、このスタンスは今後も変わらないですか?

うん。あえてそうしてきたわけではなくて、自然とこうなっちゃったんですよ。面白そうな何かがあれば、そこに混ざっていきたい気持ちはありますけど、本当になかなかないですからね。

-DIR EN GREYって独自の世界観を持ったバンドですからね。

うん。だから、混ざりにくいんでしょうね、他と。そんな気はしています。

-サウンドの面で言っても、DIR EN GREYに近いバンドっていないですからね。

そうですね、日本にはいないですよね。俺が知らないだけで、もしかしたらいるのかもしれないですけど。

-4月に発売されるライヴDVDを拝見させて頂きました。05年のTASTE OF CHAOSに出演されたころに比べ、更に進化し、雰囲気も大きく変わりましたね。ご自身でも、それは感じますか?

うん。ちょうどその頃から海外もまわりはじめたし、海外のアーティストと一緒にライヴをする機会が増えましたからね。それまでの俺らって、あれもこれも何でもやりたがっていたんですよ。海外をまわりはじめて、何でもやろうとするんじゃなくて、俺らにしか出来ない何か一つがあればいいんやってことに気付かされた。このバンドを見れば何でも楽しめますよっていうんじゃなく、バンドのカラーを押し通していけば、それがバンドのパワーになるんやって感じましたね。海外のでかいバンドって、どのバンドもオリジナリティを持っていますよね。彼らと触れ合って、自分らも自分達らしく、自分達がやりたいことをやるのみだって的を絞れた。それから変わってきましたね、すごく。

-DVD「TOUR08 THE ROSE TRIMS AGAIN」でも、DIR EN GREYの独特の雰囲気はしっかりと伝わってきましたよ。

まだまだですけどね。大分そういう雰囲気も出てきたかな、とは思うんですけど。

-初回生産限定盤にはDISC2とDISC3がつきますが、それぞれ何が収録されるんでしょうか。

ディスク2のDVDは、見てのお楽しみのドキュメント映像などが収録されます。ディスク3のCDは、新木場のライヴに加えて、昨年12月の大阪城ホールのライヴから出来が良かった音源を(笑)ピックアップして収録します。

-DVDに収録されたライヴは昨年10月18日に新木場で行なわれたものですが、LOUD PARK 08と同じ日だったんですよね。そのLOUD PARKでトリを務めたSLIPKNOTとも親交が深いそうですが。

そう、その1週間くらい前に彼らに会ったんですよ。同日同時刻にライヴをするので、お互いのステージにでっかいモニターを用意して、お互いのライヴを同時中継してみようか、なんて話も出てたんですけどね(笑)そんな馬鹿な話ばかりしていましたよ。ライヴの後も、俺らの打ち上げにCraig Jonesがわざわざ来てくれました。酔っ払ってたんで、あんまり覚えてないんですけど(笑)

-(笑) DIR EN GREYは今、ヨーロッパを中心に世界的に大変な盛り上がりを見せていますが、Kerrang!誌のバックアップは大きかったと思いますか?

そうですね、イギリスだけじゃなく世界的に見て、Kerrang!はロック誌の中では一番だと思っているし、そんなところに気に入ってもらえて、プッシュしてもらえたことは、やはりすごくでかかったと思いますね。表紙を飾らせてもらったことで、イギリスやヨーロッパだけじゃなく、アメリカや日本からもいい反応が得られたので、それは本当に有り難いと思っています。

-Kerrang!は、DIR EN GREYを「WORLD’S BIGGEST CULT BAND」として紹介していましたね。

うん、面白い例えだなぁと思いましたね。それだけ、他にないものを見せられているんだろうなって感じましたね。

-今年も6月にヨーロッパで「Rock am Ring」「Download Festival」などのフェスへの出演が決まりましたね。海外のフェスで、DIR EN GREYの世界観を20分ないしは30分で表現しきるためのコツもすでに掴んではいると思うんですが。

うーん、そうですねぇ、出演しているバンドによってセットリストを変えるようにしています。例えば、メタル・バンドしか出ていないようなフェスでは敢えてメタルっぽい曲を外して、そうじゃない曲だけでやってみるとか。出演している数多くのバンドの中でも、このバンドは他とは違うなっていうところを狙っていきたいんですよ。そんな風に、フェスの嗜好によって変えていったりしていますね。なるべく分かりやすい曲をやるようにはしていますけどね。フェスなんかだと、初めて見る人の方が圧倒的に多いので。

-日本ですとメンバーの名前でコールされますけど、海外ではどうなんでしょうか?

やっぱり「DIR EN GREY!」って叫んでいるやつが多いですね。海外じゃメンバー名を呼ばれることなんてないから新鮮ではありますね。

-海外と日本とでは、盛り上がる曲も違うのでしょうか。

海外の場合は、何でも盛り上がっちゃうんですよね(笑)速けりゃいい、みたいなノリだったりするんで。まぁそれはそれで面白いんですけど。「ちゃんと聴けよ、お前ら」みたいな部分はあります(笑)日本のファンは、ステージの全てを堪能して帰ろうとしますよね。海外にも、もちろんそういう人はいるんでしょうけど、ただ曲の速さに反応する人のほうがものすごく多いんですよね。速い曲をやったらとにかく暴れる、みたいな。

-(笑) 数多くのアーティストとショーを経験していますが、中でも特に感銘を受けたバンドといえば?

やっぱり、DeftonesとTOOLは凄かったですよ。独特の雰囲気がステージの中に渦巻いていて…。もう、彼らの場合は音がどうとかは関係ないんですよね。その人たちそのものがデカいっていうか。Family Values Tourで回った時は「俺らって小っちゃいなぁ」ってすごく思ったんですよ。ふらついているというか、何というか。別に後ろめたいことがあるわけじゃないですけど、もっとちゃんと地に足をつけてバンドをやっていこうと思いました。自分たちの中に確固たる何かを持ってステージに立とう、という気はしています。

-Deftonesもキャリアがあるバンドながら、とても気さくな方々ですよね。仲良くなりましたか?

うん、よく飲んでましたね(笑)俺ね、Chinoと同い年なんですよ。それがもうびっくりしてね。えー!うそやん!思って(笑)

-ハハハ(笑)私はChinoにはお会いしたことがないんですが、どんな人でした?

普通の人ですよ(笑)本当に音楽が好きで、自分のMACをスピーカーに繋いで、どこでも絶えず音楽を流しているような人でしたね。FAITH NO MOREをこよなく愛する人です。お互いのiTunesを見て、お薦めの音楽を教え合って、CDを交換したりしましたよ。

-THE HUMAN ABSTRACTがサポートについた昨年11月の全米ツアーはいかがだったんでしょうか?

彼らはね、とにかく上手い。あまりにも上手いから、一緒にやるのが最初は嫌だったんですよ(笑)確か、まだすごく若いバンドなんですよね。ギターの子は、ギターの先生をやってたりするんですよ。楽屋に入るなり練習しだしたりとかして、それを見て、俺らも練習しなきゃだめかな、なんて思いましたね(笑)彼らはすごく真面目で、練習も欠かさずやってるんです。そんな風にピュアに頑張っている姿を目の当たりにして、俺らも頑張んなきゃって。

-特に最近はテクニックが重視される傾向にもありますしね。

そうですね。ほんと参りますね(笑)

-薫さんも上手いじゃないですか。

いえいえ、ぜんぜん上手くなんてないですよ。俺の場合は、雰囲気です(笑)

-これほど海外のアーティストと繋がりを持ちながらも、日本国内では、洋楽嗜好のリスナーとDIR EN GREY、そしてDIR EN GREYのファンとが、なかなか結びつかないですよね。そこにじれったさを感じることはありませんか?

そこはね、まぁ、俺らも思っているところではあるんですけどね。でも、俺らが築き上げた10年ちょっとの歴史があって、昔から俺らを見てくれているファンもいたりする。だから、そこに関しては俺らがどうこう言ってはいけない部分という気がしているんですよ。確かにじれったさを感じることはありますけど、俺らがやってきた道のりがあって今に繋がってきているので。今は、ライヴを見ても女の子が多いし、典型的なヘヴィ・ロック・バンドのライヴという感じでは無いとは思うんです。ひたすら激しいライヴを見たい、ただ盛り上がりたいって人には、きっと物足りなさを感じるライヴではあると思うんです。だから「違うだろ?」って思われることもあると思うし。でも俺らにしか出せない世界もある。なので届いてくれる人に届けばいいって思ってますね。


TOUR08 THE ROSE TRIMS AGAIN

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