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THE HUMAN ABSTRACT | 激ロック インタビュー

THE HUMAN ABSTRACT:Dean Herrera (Gu)

インタビュアー : ムラオカ  通訳:George Seki

THE HUMAN ABSTRACT

-はじめてのインタビューなのでバンド結成から今までの紹介をお願いします。

俺達はTHE HUMAN ABSTRACTっていうバンドで、2004年の夏に結成した。オリジナル・ラインナップはDean Herrera、A.J. Minette、Brett Powell、Kenny Arehart、Nick Olearts。それから何度かメンバー・チェンジを重ねて、今残ってるオリジナル・メンバーはDean HerreraとBrett Powell。現在のラインナップはBrett Powell、Dean Herrera、Nathan Ells、Andrew Tapley、そしてSean Leonard。まぁ典型的なメタルコア・バンドとしてスタートしたんだけど、A.J.が大学でクラシック・ギターを習いだしてから、彼はそれまでの音楽性にネオ・クラシカルやテクニカル・メタルの要素にインスパイアされたものを書き出したんだ。デビューCD「NOCTURNE」を2006年の8月にリリースした。同年2月からずっとツアーを続けてるけど、とりあえず止めるつもりは今のところないね。

-前作「Nocturne」はCMJのラウドロックチャートで5位にランクインしたらしいですね?前作が若いファン層から支持を得ることができたのはなぜだと思いますか?

若いファン層は、本当に真から理解していないものに魅了されがちだと思う。俺達のサウンドは平凡なリスナーにはちょっと聴きづらいかも知れない。今のところ、キッズはテクニカルな音楽を好む傾向がある。俺達の好むメタル・サウンドによって、「Nocturne 」はキッズがメタル・バンドに期待するものをバランスよく凝縮した作品に仕上がったと思う。

-HOPELESS RECORDSと契約にいたった経緯を教えてください。あまりメタルバンドにあまり縁がないレーベルだと思うのですが、契約した決め手はなんだったのでしょうか?

ローカルのファンがたまたまHOPELESS RECORDSで働いていて、俺達のデモをその人に渡したんだ。そしたらHOPELESS RECORDSが凄く気に入ってくれて、ライヴやリハに顔を出し始めてくれたんだ。俺達の大きなセールスポイントは、レーベル唯一のメタル・バンドだという事。それによって、それだけ注目してくれるんだよね。他にもメタル・バンドはシーンに沢山いるけど、似たようなその他大勢のバンドの一つになると、それだけ注目が薄れてしまうと感じたんだよね。

-オリジナル・メンバーであり、リード・ギタリストのA.J. Minetteが脱退したそうですが、脱退してしまった理由を教えてください。

脱退には幾つか理由があったけど、大きな理由は、A.J.はもうメタルをプレイする事に疲れて、学校に戻ってクラシック・ギターをもっと勉強したいと思ったからなんだ。別に喧嘩別れじゃないよ。むしろ、新曲とか、たまにまだ一緒にジャムしたりするんだ。

-後任のAndrew Tapleyはどのような経緯で加入にいたったのでしょうか? また彼の経歴などを簡単に紹介してもらえますか?

A.J.が脱退した時、マネージャーのJason Rudolphにいろいろ相談したんだ。彼はいろんなツテを当たって、最初に揚がった候補がAndrew Tapleyだったんだ。Andrewはやたら体のデカいカナダ人だよ(笑)。元THE AGONISTのメンバーだ。

-ニューアルバム「Midheaven」の話に移らせていただきます。 まずはニューアルバム完成おめでとうございます。本当に完成度が格段にレベルアップした素晴らしい作品ですね!!完成した今の気持ちを教えてください。

どうもありがとう!すごく大きな目標を達成出来た気がするよ。このアルバムの事を考えると、本当にミラクルな作品で、未だにこのアルバムが存在する事が信じられない気がしてならないんだ。詳しく話していくのは難しいんだけど、とりあえずこのアルバムは時間的な問題やメンバーの問題、それからメイン・ソングライターを失った事とかがあってすごく大変だった。俺はようやくこのバンドで曲作りを始められたんだけど、自分の書いた曲がアルバムに入ってる、ただそれだけで素晴らしい気分だ。本当に奇跡の1枚だと思ってる。このアルバムの制作に関わってくれた人達みんなに感謝してるよ。

-「Midheaven」というアルバムタイトルにある背景を教えてください。

このアルバムの曲名を決めるのに死ぬほど考えたよ。中には印刷に回す数分前まで決められなかった曲もある。「Midheaven」というタイトルには幾つか意味がある。出生図の4つの角として知られていて、ほとんどの占星術師はmidheaven(天の中央)は個人の達成したものや、キャリア、そして世界の中での社会的な位置を示すものと考えられてる。それと、個人のスピリチュアルで生涯をかけて向かう目標も示してくれるものでもある。アルバムのストーリーでは、ごく一般的な人物が、人間のサイクルの中でいろんな世界の終わりを渡り歩く姿を描写しているんだ。それぞれの曲はそのキャラクターが、人間が生き残る為にあらゆる自然の要素を利用して生き抜いていくという葛藤を描いているんだ。

-「Midheaven」の曲作りの上で目標とするものはありましたか?

あったね、それぞれの曲はアルバムのコンセプトの中で流れるストーリーの一部を描いてる。中にはすごく憂鬱で孤独な部分もあれば、意気揚々として力に満ちた部分もある。基本的に楽曲はそのストーリーのサウンドトラック的な役割に仕立て上げている感じかな。

-「Nocturne」はとても素晴らしい作品でしたが、プログレッシヴ・メタル風味のメタルコアというあくまでもメタルコアの範疇内の作品であると感じていました。それに比べ「Midheaven」はプログレッシヴ・メタルを現代的アグレッションでネクスト・レベルに進化させた作品であると感じましたが、これはあなたがたの考え方と一致しますか?

間違いなくね。「Midheaven 」を通じて、70年代のプログレ・ムーヴメントにタイムスリップしたような感覚を与えつつも、すごく新しいフィーリングを感じさせるものがある。でも「Nocturne 」の特徴が充分に残っていて、ファンももっと聴きたいと思わせるような作品に仕上がってると思う。このアルバムみたいなサウンドの作品は他にないんじゃないかなと思う。そんな作品を作れた自分を誇れる、そんなアルバムになったよ。

-今作は前作と比較すると、あなた方のルーツであるDREAM THEATERなどのプログレッシヴ・メタルの影響がさらに色濃くなった作品であると感じたのですが、今でも彼らはあなたがたのフェイバリット・バンドですか?

もちろんDREAM THEATERからは未だに影響を受けるけど、キー・ライターのSean Leonardが俺達のサウンドに新しい影響を与えてるんだ。彼の曲作りにはJETHRO TULL、THE BEATLES、LED ZEPPELIN、PINK FLOYDなんかが大きく影響してる。

-Nathan Ellsのヴォーカリストとしての成長度合いにも目を見張るものがありますね。 「Midheaven」は非常にハイレベルなボーカルの表現力を必要とする楽曲ばかりですので、彼の成長なくしてこのアルバムは完成しなかったのではないでしょうか?

まったくその通りだよ。楽曲にはヴォーカルが引き立つように、意図的に“すき間”を残しておいたんだ。Nathanはすごく頑張ってくれたと思うけど、それなりに時間もかけた。「Nocturne 」の時は、彼はまだバンドに入りたてで、アルバムの楽曲を書き上げるのに1ヶ月しかなかった。今回は、彼は何が好きか、何が嫌いか、何がこのバンドに適してるのか、ちゃんと解ってた。それに2年も続けたツアーで声帯もかなり訓練されたんだよね。

-前作以上に独創的でテクニカルなギターソロがアルバム中で炸裂していますが、A.J. Minetteが脱退した今、ソロパートの中心はAndrew Tapleyになるのでしょうか?

「MIDHEAVEN」のリードのほとんどは俺が弾いてる。"Breathing Life Into Devices"、"Counting Down the Days"、"Metanoia"なんかではTapleyがちょっと弾いてるけど、ほとんどのリードは俺が弾いてるんだ。

-キーボードやピアノも多く取り入れられていますが、これはメンバーの誰かが弾いているのでしょうか?あるいはゲスト・ミュージシャンを呼んだのでしょうか?

全てのキーボード、シンセ、バックの空間的なエフェクトは新しいキーボーディストのSean Leonardが弾いてるよ。彼は正式なメンバーで、今年の初めからライヴでプレイしだしてる。

-「Midheaven」の歌詞は主にどのようなことをテーマにしているのでしょうか?

歌詞は人間のサイクルを描いてるんだ。人間はいつも社会の先端を目指し、そして自分の手で落ちていくもの。「Midheaven 」のストーリーは、人間の上昇から、欲望と残忍性によって自己破滅していくまでのサイクルを描いてるんだ。

-日本盤にはボーナストラックが入るとのことですが、そちらのみ試聴できなかったのですが、ボーナストラックはオリジナルトラックでしょうか?それともカバーソングか何かですか?

日本盤ボーナストラックについてはまったく知らなかったよ、そんな話は初めて聞いた。でも少なくとも、他のバンドのカヴァーをした事がないから、カヴァー曲じゃない事は確かだよ。

-アルバムジャケットは暗示的な雰囲気を醸し出していますが、なにを意味しているのでしょうか?

アルバムのアートワークはアルバムのコンセプトと一致してるんだ。電球に覆われた大地に男がいる絵は"Breathing Life Into Devices"っていう曲と関連してる。この曲では電気の再発明がコンセプト。人間はこれ以外の方法を思いつかないんだ。これと同じように、ほかの絵も楽曲とリンクしているんだ。どれも楽曲のシューレアルな見解を描いてるんだ。

-あなたがたと比較できるようなバンドはシーンにほとんど見当たらないのですが、唯一PROTEST THE HEROはあなたがたの音楽性と通じるものを感じます。あなたがたはPROTEST THE HEROと一緒にツアーをしたこともありますが、彼らに共通するものを感じますか?

うん、感じるね。音楽的な共通点はいくつもあると思う。BETWEEN THE BURIED AND MEとはそういう共通点があると思う。どのバンドとも近いんだけど、でも違うんだ。俺はすごくリスペクトしてるし、彼らの音楽が大好きだ。PROTEST THE HEROとやったツアーは、今までやったツアーの中でも一番印象的なものだったよ。是非またいつか一緒にツアーをしたいよ。

-ATREYU、TRIVIUM、BLACK TIDEなどオーセンティックで80〜90年代のメタルの影響を打ち出すバンドが増えメタルシーンが活性化しているように感じますが、実際にアメリカ本国ではメタルシーンは盛り上がっているように感じますか?

もうずいぶん長いことメタルは盛り上がってるよ。今アメリカではメタルはすごくポピュラーな音楽になってる。メタルのライヴで12歳の女の子が最前列で男勝りにロックしてるのはもう珍しい光景じゃない。まぁある意味それはクールだけど、マーケットが飽和状態になって、オリジナリティーが欠けたバンドがウジャウジャいるのはそこに原因があるとも言える。80年代の時みたいに、メタルがやがて廃れてしまう事が心配だ。メタル・バンドは生き残る為に自分達を変えていかなきゃならないと思う。

-THE HUMAN ABSTRACTの最終的な目標を教えてください。

最終的な目標は、自分達が好きなような曲を書いて、俺達の事をずっとついて来てくれる忠実なファン・ベースを築く事かな。世界のどこへ行っても、俺達のライヴを見に来てくれて、楽しい時を過ごす事も目標かな。

-あなたがたは強烈なライヴ・パフォーマンスが売りだと聞いています。 ぜひ来日公演を実現させてくださいね。

なるべく強烈なライヴを見せつつ、アルバムと同じように正確なプレイをするバンドでいたい。早く日本へ行ってみたいよ。日本へ行った事のあるバンドとかの話を聞いてると、日本はライヴするのに最高の場所みたいだよ!

-最後に日本のファンにメッセージをお願いいたします。

辛抱強く待っててくれてありがとう。将来日本でプレイできるように日々頑張ってるからね。これからもベストを尽くして、いつか日本へ行けるようにするよ。だからその間、友達とかに俺達の事を広めていってくれ。ファンがいればいるほど日本行きの可能性が増えるから、よろしくな!


THE HUMAN ABSTRACT Midheaven

related site:

http://www.thamidheaven.com/
http://www.myspace.com/thehumanabstract
http://www.purevolume.com/thehumanabstract

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