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SECRET AND WHISPER | 激ロック インタビュー

SECRET AND WHISPER:Ryan Loerke (Drums)

インタビュアー : MAY-E

SECRET AND WHISPER

-前進バンドであるSTUTTERFLYはシーンである程度の成功を収めていましたね。
また1からのスタートになることに少しの不安もありませんでしたか?

確かに一からのスタートというのは不安だったよ。STUTTERFLYはそれなりにちゃんと活動していたし、これまでのことを全部捨てるというのは僕たちにとっては何より大きな一歩を踏み出すことだったからね。Charlesの加入後もまだ僕たちはSTUTTERFLYだったけど、アルバムの曲を大体書き上げて何かが違うと感じたんだ。STUTTERFLYのファンにもSTUTTERFLYでの活動にも感謝していたけど、ただそろそろ何か違うことをする時期だと感じたんだ。順調だしそれで良かったんだと思うよ(笑)

-もともとCharles Furneyのような高音域のヴォーカリストを探していたのでしょうか?あなた方が出会ったきっかけを教えてください。

新しいヴォーカルを迎えるにあたり、音楽的にも人間的にも僕たちにピッタリくる誰かを探していたんだ。たまたま別のバンドで活動していたCharlesとは長い付き合いだったし、すべてがしっくりおさまった。
いつ聴いても素晴らしいシンガーだと思うし、何よりSECRET AND WHISPERとしての要素を兼ね備えていた。彼のスタイルには前例となるような何かがあったわけではないけど、ただ僕たちが思う通りにやってくれたんだ。

-SECRET AND WHISPERというバンド名にはどんな想いが込められているのでしょうか?

チャールズの加入に合わせてSECRET AND WHISPERという名前にしたんだ。バンドとして何ができるかなんて見当もつかなかったし、Charlesはまだ別のバンドで活動していたから、すべてが水面下でひっそりと進んでいてね、そうだこれだ、と思ったんだ。頭文字をとるとSAWっていうのもなんかカワイイよね!(笑)

-Tooth & Nailと契約を結んだ経緯は?

契約までの道のりはなかなか面白いよ。JasonがDusty Redmond(BELOVED, DEAD POETIC, THE ALMOST)とマイ・スペースでやり取りしていて、シアトルでのショウに来てくれたんだ。Tooth and NailのA & RであるChad Johnsonも一緒だったよ。僕たちはまだSTUTTERFLYとして活動していたものの、レーベルは離れていたんだ。すぐにどうこうってわけではなかったけど、それからも連絡を取り合い、SECRET AND WHISPERのデモを当時ChadのアシスタントだったJimmy Ryanに送ったんだ。そのJimmyは今や僕たちの担当A & R。本当によくしてくれているよ。Tooth & Nailは本当に素晴らしいレーベルで大好きだよ。

-デビュー・アルバム「Great White Whale」を聴かせて頂きとても気に入っています。
海外でのヒットと日本盤のリリースも決まり、邁進しているようですが、今のお気持ちは?

嬉しいよ、ありがとう!こんなことになるなんて考えてもなかったし、CDの反響にすごく驚いているよ。
僕たちはただ書きたいものを書いただけで、それが気に入ってもらえたなんて本当に励みになるな。10月のラウドパークでの日本公演もすごく楽しみだよ。

-中でも⑥Spider Besiderは凄まじくエネルギーの感じられる曲ですね。バックサウンドの抑揚感に合わせるようにCharlesのヴォーカルにもメリハリがついていて、素晴らしい仕上がりだと思います。この曲が出来た背景や、工夫したポイントなどを解説してください。

またまた嬉しいコメントをありがとう。気に入ってくれて嬉しいよ。この曲はまさに僕たちがライブでプレイするのが一番好きな曲なんだ。僕たちはメタルの影響を受けていて、でも常に自分たちらしいスタイルを取り入れるようにしているんだ。キャッチーなパートはもうたまらないね。歌も、何もかも全部が一度に押し寄せてくるんだ!

-エレクトロニカのアレンジも伺えますね。より神秘的な世界観を表現することに成功していますが、曲作りの初めの段階から、あのようなエレクトロニカを取り入れるイメージはあったのでしょうか?

僕たちは音楽にキーボードとかドラム・ループなどエレクトロニックな要素を取り入れるのが好きなんだよね。BJORKのようなアーティストも大好きだから常に何か取り入れたいと思ってる。僕はこういうことをするのがすごく好きだから、CDを通じてできるのは本当に楽しい!意外とこういう変わったピアノレッスンなんかは子どもには効果があるかもだよ(笑)実際子どもたちに曲を書くことはなかったけど、できる限り何かの形で関わろうとしてきた。次のアルバムはちょっと違った感じになるかも!

-アルバムのタイトル「Great White Whale」の通りに、力強く、且つ神聖さのあるアルバムだと感じています。モビー・ディック(白鯨)から影響を受けているそうですが、具体的にモビー・ディックのどの部分にインスパイアされ、それが今回のアルバムのテーマである「孤独」とどう繋がるのでしょうか?

『Great White Whale』はモビー・ディック(『白鯨』)のストーリーとはそれ程関係ないんだ。モビー・ディックは人間対白鯨の話で、テーマは恐怖からの克服、物語の中ではその恐怖は巨大な鯨だ。
『Great White Whale』でのコンセプトはどちらかというと内にある孤独。歌詞では一緒に居られる何かを捜し求める人について描かれていて、Charlesがその象徴となるイメージとして鯨を選んだんだ。つまり「塔に閉じ込められた」鯨(歌詞より抜粋)というのは文字にすると違和感があるけど、感情を表現する象徴としてはよく表しているよね。Charlesは比喩的な描写が大好きなんだけど、『Great White Whale』はそのいい例だよ。

-アルバムのアートワークの白鯨は、籠に閉じ込められているように見えますが、なぜ閉じ込められているのでしょうか?

アルバムのデザインと白鯨のイメージはInvisible Creature (注:シアトルにあるグラフィックスタジオ。多くの著名ミュージシャンの作品を手掛けている)のRyan Clarkが手掛けたものなんだ。彼とCharlesでアルバムの全体的なテーマについて話し合って、『Great White Whale』のイメージが浮かんだとか(詳細はひとつ前の質問)。全く想像もしていなかったものが出来上がってきたけど、だからこそみんながすごく気に入ったんだ。CDのアイコン的な象徴に感じたし、本当にすべてがしっくりきた。鳥カゴに閉じ込められた白鯨のように妙にも感じたけどね(笑)ジャケットは日々目にするものでもないし、他にないコンセプトは大歓迎だよ。

-また、ページをめくるとパンダなど、他にも奇妙な生き物が描かれていますが、これらは何を表しているのでしょうか?

『Great White Whale』では収録曲のイメージが顕著で、Charlesはそれぞれの歌詞に合った絵を描いたんだ。幽霊の絵は「Attacker」、狼男は「Werewolves」という感じでね。「Spider Besider」のパンダにはちょっとした話があるんだ。Charlesが“ママ・パンダ”というチャイニーズ・レストランで働いていた時に、歌詞にインスピレーションを与えてくれたある人物と出会った。名前はLachoku。またチャールズはアニーという名前の女性と一緒に働いていたことがあって、実はその彼女の本名も“Lachoku”だと後から判明した。どうやらカナダに引っ越すことになり、仕事や生活のことを考えて名前を変えたらしいんだ。この曲は、アメリカ北部の文化に合わせて“ビル”だの“スーザン”だの、名前を変えるなんて馬鹿げているという彼(そして僕たち全員)の思いがベースとなっている。中国は豊かな文化がある国なのに、それはさておき国を出るからというだけでそんなことを強いられるなんてやっぱりおかしいよ。パンダがテイクアウト用のチャイニーズ・ボックスを抱えているのはそういうわけさ。どのキャラクターにもストーリーがあるんだ。

-SAOSINと比較されることも多いと想像しますが、それについてはいかがですか?

今も昔も変わらずSAOSINと比べられてるのはよく知っているし、才能ある素晴らしいバンドだからすごく光栄なことだよ。人は比較するのが好きだしそれはいいと思うんだ。ただ僕たちはらしくないことはしないようにしているし、書くのはアーティストとしての感情を代弁する曲。Charlesは高いキーで歌うから、それでみんなが比べているんじゃないかな。でもそんなのはCharlesがどういうタイプのシンガーかってことにすぎないよ。Charlesは本当に印象的な声域をもっているし、次のアルバムでは高音か低音の歌をもっと取り入れたいと思っているんだ。彼は自分の実力以上のことをしようともしなければ、最近どこにでもいるようなタイプのシンガーでもない、ただ感じるままを歌っているんだ。ずっとバンドとして活動してきたけど、SECRET AND WHISPERは僕たちの新たな方向性でもあるし、求めるサウンドのために常に軌道修正をしているよ。

-「ポスト・スクリーモ」と称されることに対してはどうお考えですか?

一日の終わりにこう思うんだ。自分たちらしいバンドで在るか、もしみんながただ比べたいだけで、僕たちの本質を見ていないとしたらどうかって。でもそれは自由だからね。僕たちはみんなに好かれるためにやってるバンドではない。僕たちは音楽を愛しているからやるだけ、そしてその愛を人々とシェアするためにやるだけなんだ。

-エモ・スクリーモと呼ばれるシーンがありますね。あなた方のバックグラウンドも含めると、そのシーンとS&Wを完全に切り離すことは難しいことだと思います。そんな今の音楽シーンの中で、やり辛さを感じることはありますか?

バンドをジャンル分けするのは難しいよね。きっちりジャンルが定義されているバンドもいれば、そうではないバンドもいるし。僕たちはいちヘビー・ロック・バンドに過ぎないと思っていて、なんていうか息苦しくなるような型には絶対にはまりたくないんだ。90年代のアルバムをいろいろ聴いてみれば分かるけど、例えばSMASHING PUMPKINSはアルバムで幅広い音楽性を披露しているよね。美しいスロー・テンポのアレンジかと思えば、次のトラックは重厚でアグレッシヴだったり。僕たちもこういう風に選択肢を備えたアルバムにしたいと思っても、ジャンルを特定することでそれが抑制されてしまうよね。もしみんながポスト・スクリーモと呼びたいのならそれはそれでいいさ。リスナーが音楽の定義に偏見をもたないのなら、どう呼ばれようと大したことじゃないさ!

-あなた方は「音楽そのものが目的である」と仰っていますね。あなた方が考える「音楽的な成功」とはどのような事だと考えますか?

僕が思うに音楽で成功するということは自分がやっていることがハッピーであるってことだと思う。お金も、アルバムの売上げも関係ない。もしショウを楽しんでいなかったり、自分が書いた曲を好きじゃなかったりするのなら、じゃあ何の意味があるんだってね。常に応援してくれる誠実なファンをもつこと、これこそがどれだけ成功したかを決定づけるものだと思うんだ。僕はCDをコピーしないという1000人のファンより、ショウで音楽を好きだといってくれる100人のファンがいてくれたほうがいいな(笑)

-メンバー全員がSECRET AND WHISPERが初めてのバンドではないので、バンドのヴィジョンをより具体的に描いていることと思いますが、将来、どんなバンドになりたいですか?

僕たちの夢は大好きなことをして生活すること、そして計画を立てて実行して、ミュージシャンとして自分の気持ちに正直な曲を書いて演奏する。プラチナの盾や大金には動かされない。(かといって拒否もしないけどね。みんなそうだろ?)お金と名声の為だけにやってたら、とっくの昔にやめてたと思うよ。このアルバムは音楽を演奏することへの正真正銘の愛を表現しているんだ。そしてミュージシャンとしてただ成長していきたいと思っている僕たちを。僕たちはゼロからスタートしなきゃならなかった。そして再び冒険にでるという夢が実現したんだ。

-インタビューありがとうございました。

もう一度本当にありがとう。10月のラウドパークには必ず来てほしいな。
プレイするのが本当に楽しみだよ。またね!


SECRET&WHISPER Great White Whale

related site:

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SECRET AND WHISPER / GREAT WHITE WHALE
2008/07/02 myspaceのページに飛ぶ purevolumeのページに飛ぶ

STUTTERFLYのメンバーが、新たにBLEED THE ALARMのヴォーカリストを加えて、再びシーンに返り咲いた。よりエッジが際立たってはいるが、もともとSTUTTERFLYが持っていた緊張感のあるヒンヤリとした世界観をそのままSAWにも持ち込んでいる。そこにAnthony GreenやCove Reber を髣髴とさせる艶のあるハイトーン・ヴォイスが絡み合うことで、より一層SAOSINに近づいた印象だ。輸入盤のアートワークではアルバムのテーマである「内なる孤独」を表すべく、孤独の象徴に鯨を選び、それを籠に閉じ込めた。彼ら自身、ライブで演奏するのが一番好きだという曲M6「Spider Besider」は、激ロック・イベントでもパワープレイ中!(MAY-E)


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