
―初めてのインタビューとなりますので、基本的な質問からいきます。MILLENCOLINというバンド名はスケートボードのトリックMELANCHOLYに由来していると聞いておりますが、バンド名にはどんな気持ちが込められているのでしょうか?
そう。音楽をやる前、みんなスケートボーダーだった。スケートボード・ビデオで使われる音楽を聴いてパンク・ロックに目覚めたんだ。当時スケートボードにちなんだバンド名にしたいと思っていたから、melancholyというトリックが閃いて、スペルの仕方を変えたけど、今はトリックというより、自分達の心を表す言葉になっている。
―MILLENCOLINを結成した経緯を簡単に教えてください。
みんな友達だった。最初の3ヶ月間はFredrikはまだ加入してなかった。今思うとなんだか最初からいるような気持ちだけど、最初のデモテープのドラムはFredrikが叩いたものじゃないんだ。それにギタリストも僕一人だった。Fredrikと僕は地元が一緒で、MathiasとNikolaは同じ町の別の地域で同じ学校の同じクラスだった。みんなが知り合ったのはスケートパークだった。そこでいつも一緒にスケボをしていて、友達になって、数年間スケートしていたけど、音楽を聴くようになったら自分達でもバンドが組みたくなった。
―スウェーデン・パンクと言えば、NO FUN AT ALL、RANDY、SATANIC SURFERSなどの良質なバンドがいますよね?スウェーデン・パンク・シーンにおいて、なぜこのような良質なバンドが多いと思いますか?もしかしたら、世界をリードする福祉制度みたいなものがスウェーデン・パンク・シーンにもあるのかなとも思うのですが・・・。
そうだね、ここには国が運営している無料のリハーサルスペースがあるんだ。そこは場所も提供してくれるだけでなく、楽器や機材も貸し出してくれるんだ。僕達はただのスケートボーダーだったからギターなんて持ってなかったけど、こうした機会が与えられたから、音楽をやってみようという気持ちになれた。そうやって楽器を覚えて、音楽をやるようになった。他の国では楽器は高いお金を出して買わないといけないし、ガレージとか練習する場所を確保するのも難しい。15才、16才の若い子達はお金もないし、そんな大変な思いをしたくないと思うんだ。だから確かに政府がリハーサルルームを運営して、音楽を支持してくれていることは大きい部分だと思うんだ。パンクだけでなく、様々な分野の音楽でも素晴らしいバンドがたくさんいるのはそのせいだと思うよ。
―地元ではどんなバンドと交流があるのでしょうか?
THE HIVESとかTHE PEEP SHOWとかBOMBSHELL ROCKS とはかなり仲良くしている。それからストックホルムのバンド、THE HELLACOPTERSやBACKYARD BABIESなどと交流がある。
―スウェーデン、ひいては世界のパンク・シーンにおいて気になるアーティストはいますか?
もちろん、もちろん。僕のヒーローはNOFXやRANCIDなんだ。
―結成15周年、おめでとうございます!!結成15年を迎えることのできるパンク・バンドは世界広しと言えど、数えるほどしかないと思うのですが、なぜあなたたちは15年も活動し続けることができたと思いますか?
なぜだろう。よく分らないな。最初から友達だったから。でも「For Monkeys」と「Pennybridge Pioneers」の間にしばらく活動休止したことがあったんだ。それまでずっとツアー漬けだったから充電期間が必要だったので、期間限定なしで休みを取った。6ヶ月くらい経つと、今度はバンド生活が恋しくなり、また一緒になって活動開始したけど、いつでも休めるんだと言う気持ちがあるだけで随分楽になれたんだ。その後はツアースケジュールをもっとうまく組んで、もっとエネルギーを補給するようにした。ステージに立つことを心から喜びにしないとだめなんだ。それを毎日毎日やっているとウンザリしてくる危険もあるからうまくバランスをとらないといけない。
―結成15周年を向かえた今と結成当時を比べて、変わったことは何でしょうか?また変わっていないことも教えてください。
僕は今までの生涯の半分はMILLENCOLINにいるから僕にとって家族同様に親しい存在なんだ。MILLENCOLINがなかったら生きていく方法すら知らないと思うよ。ずっとこれしかしてなかったからね。僕達の絆はとても自然なもののように緒も合えるんだ。先日シークレットツアーでドイツに行ったんだけど、それまでちょっとツアーから離れていたから、彼らと一緒にいるのがどれだけ楽しいかまたつくづく分かったよ。だから変わったところはこの絆がさらに強いものになったところだと思う。
―結成15周年を向かえた今、あなたたちの目には世界のパンク・シーンはどのように映っていますか?
世界中でパンクを聴く人が増えただけでなく、パンクはどのジャンルにも負けない、一般的に受け入れられる音楽になったと思う。
―新作「MACHINE 15」を聞かせていただきました。研ぎ澄まされたミレンコリンサウンドに、これまでにはなかったスケール感のあるロック・サウンドを掛け合わせたパンク・ロック満載のアルバムになっており、とっても気にいっております。前作「Kingwood」から約3年ぶりの新作リリースとなりましたが、今の気持ちを教えてください。
まだ落ち着いて自分の気持ちを振り返るような余裕がないんだ。アルバムの曲作りからレコーディング、リリースまでずっと忙しくとりかかっていたし、僕はアートワークや舞台の幕までグラフィックなものも全てやっているし、ウェブサイトも作っているから忙しいんだ。ノンストップで仕事をしている。オーストラリアに行ったら、今まで時間がなくてできなかった仕事もしないといけない。でもアルバムが発売されるのは最高に嬉しいよ。楽しいけど努力しないといけないし、時々いらいらする事もあるし、いろんな気持ちが絡み合っている。でも毎回とても誇りに思っているよ。リリースされると今度はツアー・モードに切り替えないといけないんだ。
―タイトル「MACHINE 15」にはどんな意味があるのでしょうか?
僕達は15年も一緒にいるのと、このアルバムに15トラック入れることを決めたからなんだ。僕はいつもちょっとしたコンセプト的なアルバムを作るのがすきなので、ただ何か言葉をつけるんじゃなくて、少し捻りを聞かせたかった。マシーン・フィフティーンの語呂もいいし、15ってどうしても入れたかった。NikolaがMachineをつけたんだけど、どこからそれが浮かんだか分らない。いきなり「マシーン・フィフティーンはコーラスラインにいいかもしれない」と閃いたみたいだよ。それで「タイトル名にもいいね!」ってみんなで話していたんだ。その時コジラのことが頭に浮かんだので、これはいいと思ったんだ。
―今回のリリースまでになぜ3年間もの期間が必要だったのでしょうか?
1年半、2年はずっとツアーをして、曲作りを始めて、レコーディングしたから、このタイミングが一番早いと思う。それとNikolaとMathiasがそれぞれソロプロジェクトもその間にやっている。Fredrikもクロスパンクバンドでドラムを叩いていて、僕は僕でグラフィックデザインの会社を立ち上げたからみんなかなり多忙だと思う。
―今作はどの曲もメロディが印象的だと思いました。特にマイナーとメジャーのメロディの使い分けが素晴らしいと思いましたが、これはソングライティングの変化なのでしょうか?
とても変化があると思うよ。MathiasとNikolaがほとんどやっているんだ。今までは僕が曲作りをほとんどやっていたけど、今回はいろいろ忙しかったから、Mathiasがプロツールで基本的なリフとか作って、それをNikolaにファイルで送って、Nikolaが家で歌って足したりしていた。面白い作り方をしたんだ。
―今回はストリングスを取り入れておりますよね?これが効果的に曲の表情を豊かにしており、我々の感動を生み出す要因の一つとなっていると思うのですが、ストリングスの採用は誰が考えたのですか?
それは多分Mathiasと僕が話し合って決めたと思う。いろんな試みをすることを不安にならないでやろうって話したんだ。今まで割とキーボードでストリングスの音を出した事はあったけど、The Sweden Chamber Orchestraとコネクションがあったので、今回は本当のオーケストラを使おうと話した。専門家にアレンジメントも頼んで、音を壮大にしたかったんだ。
―プロデューサーに前々作の「Home From Home」のLou Giordanoを起用した理由を教えてください。
このアルバムはできる限り素晴らしい作品に仕上げたかった。「Kingwood」もとてもいいアルバムだったけど、その時はもっとロックンロールに戻っていくようなそんなビジョンを抱いて、アナログのサウンドを求めた。ただ、今聴くとプロダクションがちょっと物足りない感じがする。ギター、ギター、ベース、ドラムスとボーカルという基本的なものだったけど、今回はもっとダイナミックなサウンドにしたかったんだ。よりビッグな音にしたかったから、ストリングスを加えたり、キーボードを入れたりもした。これで音を広くしたんだ。Louと一緒に仕事をしたのは、彼がアメリカのバンドのプロデュースをしているけど、非常にシャキッとした音を作るんだ。Louの事は良く知っているし、一緒に仕事するのも好きだし、彼がいるといいヴァイブを発している。
―ベース&ボーカルのNikolaは「今回は特に“極端な”ものを見せたかったんだ」と語っていますが、その真意は何なのでしょうか?
極端だとは思わないと思う。常に進歩したいと思うし、前とは違う音にならないといけない。もっと良く、もっと新しくならないといけないけどそれでもMILLENCOLINのサウンドは持ち続ける。
―個人的に、疾走感溢れる「Who’s Laughing Now」やポップ・パンクチューン全開の「Danger For Stranger」なども好きですが、これまでのMILLENCOLINに見られなかった「Done Is Done」や「Brand New Game」などが特にお気に入りです。この2曲はどのようにして創り上げられたのでしょうか?
これらもさっき言ったように製作方法だけど、Done Is Doneはヘヴィなものに夢中なMathiasが作った曲なんだ。彼はヘヴィでメタルでハードコアでハードなパンクが凄く好きで、リフなんかもそう言うものを用いる。Nikolaの方はBEATLES、Bob Dylan、BEACH BOYSなどといったボーカルメロディ重視の音楽が好きなのでその色が出ていると思う。とてもモダンなサウンドだと思うよ。僕達はいろんなサウンドを試したいので、バラエティがあっていいと思うんだ。これからもどんどん進化していくと思うんだ。
―新作リリース後はDEAD TO MEとA DAY TO REMEMBERをサポートに迎えてヨーロッパをツアーするということなのですが、日本へ来る予定はないのでしょうか?新作を聞いて来日を望む日本のファンが増えると思いますよ。
まだ何も決定してないけれど、できれば秋ごろに来日したいと思っているんだ。
―最後にあなたたちのことが大好きな日本のファンにメッセージをお願いします。
「Kingwood」で来日した時は本当に楽しかったけれど、その時もすごく待たせた来日だったので今回はあまり待たせたくないと思う。日本が大好きだからできるだけ早く行きたいと思う!
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マシーン15
2008/5/21発売 |
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