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FEATURE

SECRET 7 LINE

2016.03.08UPDATE

2016年03月号掲載

大切な仲間の死を乗り越え、盟友たちによって実現した奇跡の新作 そして、たくさんの思い出が詰まった名曲が蘇るベスト盤

ライター:山本 真由

2015年8月31日、それはあまりにも突然で、信じがたいニュースだった。"シクセブが交通事故!?......事故まではわかった、帰らぬ人って何だ......??"一瞬では理解し難い、そんな感じ。私たちに何かを覚悟させる暇さえ与えてくれず、SECRET 7 LINE のSHINJI (Vo/Ba)は、この世を去ってしまった。
 
筆者がSECRET 7 LINE のライヴを初めて観たのは、たしか2009年のMXPX来日公演。その当時はあまりよく知らないバンドだったが、予備知識なく観た彼らのライヴは、洋楽ポップ・パンク寄りのモダンなサウンドが印象的で、何か新しくて素敵なものを発見したような、ワクワクした気分にさせてくれた。その後、激ロックの主催ライヴ・イベントでもDONOTSやVANILLA SKYと共演するなど、海外バンドとの共演も数多く経験し、また、国内ではパンクというジャンルにとらわれず、様々な音楽性のバンドと共演し、ライヴ・バンドとしての実力を確かなものにしていった彼ら。そんな彼らの存在を、現在の国内パンク・シーンにおける最重要バンドのうちの1組にまでステップアップさせた決定打が、2012年より毎年開催している大規模な主催イベント、"シクフェス"こと"THICK FESTIVAL"だろう。このライヴ・イベントは、"自分達が見たいフェスを自分達の手で!"というテーマのもと、彼らと相性のいい、お馴染みのメロディック・パンク・バンド勢はもちろん、ラウドロック系やハードコア系、ときにはベテラン先輩バンドや、注目のニューカマーまで実に多彩で、ライヴハウス・シーンの第一線で活躍する彼らだからこそ集められる、貴重なラインナップで毎年注目を集めた。
 
そして今年の1月に行われた"THICK FESTIVAL"は、SHINJIの追悼イベントとして開催された。総勢35組でオールナイトという、途方もなく盛大なお祭りで"寂しがり屋でのんべいな"故人を偲ぶという、メンバーの粋なはからいによるものだ。涙だけでなく、笑いと愛に溢れたこの1日によって、残されたメンバーも一歩前へと進むことができるようになったのではないだろうか。そして今回、その追悼イベントにも出演した盟友たち、GOOD4NOTHING、AIR SWELL、UZMK、LAST ALLIANCE、HOTSQUALLのメンバーの協力も得て、SECRET 7 LINEのニュー・アルバム『THE SOUND OF US』が完成した。
 
今作は、"シンジが残した楽曲、声を生きた証として世に出したい"という、RYO(Vo/Gt)とTAKESHI(Dr/Cho)の想いを形にしたものだ。内容としては、DISC 1は新作で、レコーディング半ばだった楽曲をゲストの協力で完成させたもの。そして、DISC 2は、これまで発表してきた5枚のアルバムから、メンバーが選曲した楽曲を全曲リミックス&リマスタリングしたベスト盤。どちらも、SECRET 7 LINEというバンドの存在の大きさを再確認させられる、完成度の高い内容だ。
 
まずDISC 1は、参加したゲスト・アーティストたちが、それぞれの楽曲のカラーに合ったいい味を出していることにニヤっとさせられる。ゴキゲンなパーティー感と、シクセブらしいシンガロング・パートが気持ちいい、Track.1「NOT COMPLICATED」には、音楽性も近いGOOD4NOTHINGのU-tan、TANNY、MAKKINが参加。そして、ちょっと異色なTrack.4「CRAZY」では、イージーコア調の楽曲をゴージャスに彩るシンセのアクセントはUZMKのJYUが、ミクスチャー的なアプローチでメリハリを付けるヴォーカル・パートはAIR SWELLのhamakenが担当。"あなたと生きたあの日々を/胸に抱いて/「You keep on going on」"という歌詞が胸に沁みる、Track.5「THE SOUND OF YOU」では、力強くもエモーショナルなベースでLAST ALLIANCEのMATSUMURAがサポートしている。さらに、Track.10「PLEASE TELL ME」には、HOTSQUALLのアカマトシノリがヴォーカルとベースで参加、全編英語詞の爽快なナンバーをキッチリとシクセブ節に仕上げている。
 
そして、今作の中でもやはり何度も聴きたくなってしまうのが、SHINJIが作詞作曲を手掛け、昨年の夏リリースされたシングル曲「YOUR SONG」(Track.6)。まるで、天国のSHINJIがメンバーやファンを励ましてくれているかのような、あたたかく前向きな歌詞。奇跡のように美しいコーラス、たくましく大地を踏みしめるようなリズム。ぽっかりと穴の空いた私たちの心に寄り添い、支えとなってくれる楽曲だ。その「YOUR SONG」に対し、RYOが答える形で書き上げた「OUR SONG」(Track.2)。大切なものを失った悲しみを乗り越え、再び立ち上がる決意が込められた感動的なアンサーソングだ。ファンにとっても、この2曲は前向きに生きる勇気をくれる、特別なものになるに違いない。
 
そして、DISC 2のベスト盤。改めてじっくり聴いてみると、比較的初期の楽曲もまったく色褪せないどころか、何度聴いてもアガる! Track.2「1993」やTrack.15「MY HERO」、Track.21「DANCE LIKE NO TOMORROW」など、SECRET 7 LINEのお馴染みのキラー・チューンが、ライヴさながらに次々と叩き込まれてくる。以前のインタビューで、"お客さんと一緒にライヴで遊ぶために、(キャッチーでシンガロングが象徴的な)わかりやすい部分を大事にしている"と語ってくれたように、激しい曲にもメロディアスな曲にも、まさにそんな彼らの魅力がギュッと凝縮されている。派手なことはやっていないけど、楽曲ごとの特性を活かしたピュアな音色で、ボトムに広がるSHINJIのベースにも、改めて注目したい。
 
バンドにとってもファンにとっても、喜び、悲しみ、たくさんの思い出が詰まった今作を手に取り、大きな力をもらった気がした。聴く前は、こんなにポジティヴな作品だとは思っていなかった。これは、単に思い出を振り返るだけの作品ではない。これは、SECRET 7 LINEの新しいスタート地点。ここから新しく彼らの音に触れるリスナーがいてもいいんじゃないかと思う。SECRET 7 LINEは、2016年も立ち止まらずに進んでいく。当面はアコースティック編成の活動になるようだが、待っているファンのもとへ音楽を届け続ける彼らの歩みが止まることはない。
 


SECRET 7 LINE
ニュー・アルバム+ベスト・アルバム
『THE SOUND OF US』
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amazon | TOWER RECORDS | HMV
 
2016.03.09 ON SALE
CD2枚組
EKRM-1323 ¥3,000(税別)
[Kick Rock MUSIC]
 
[DISC1]
1. NOT COMPLICATED(Ba MAKKIN /Vo U-TAN & TANNY from GOOD4NOTHING)
2. OUR SONG(Vo hamaken from AIR SWELL)
3. UNDER THE BLUE SKY
4. CRAZY(Manipulator JYU from UZMK / Vo hamaken from AIR SWELL)
5. THE SOUND OF YOU(Ba MATSUMURA from LAST ALLIANCE)
6. YOUR SONG
7. HUNG OVER
8. EXISTENCE PROOF
9. WANT YOU TO SHINE
10. PLEASE TELL ME(Vo & Ba Toshinori Akama from HOTSQUALL)
11. NOTHING GONNA CHANGE
12. STORY
13. THE LAST NIGHT
 
[DISC2]
1. IT'S ALLRIGHT
2. 1993
3. BURN TO THE GROUND
4. LIKE A CRASH
5. DOWN TO HELL
6. PIECE OF CAKE
7. BREAK IT
8. SHINE IN THE LIGHT
9. NEW WORLD
10. DO IT AGAIN
11. DAYLIGHT
12. RADIO
13. SK8 FOR LIFE
14. WANNA GO
15. MY HERO
16. HIT OR MISS
17. LIFE IS BEAUTIFUL
18. THE ROAD TO INNOCENT
19. REASON
20. COMEBACK TO YOU
21. DANCE LIKE NO TOMORROW
22. BREAK OUT
23. BLACK JACKET
24. SUNSET BEACH
25. STAND UP
26. KEEP IT GOING
27. GRATITUDE
28. GOOD BYE DEAR DAYS

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