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FEATURE

KNIFE PARTY

2014.12.09UPDATE

2014年12月号掲載

YouTube上で約3000万再生数を誇るキラー・トラックを有するPENDULUMのRobとGarethによるエレクトロ・ダブステップ・ユニット"KNIFE PARTY"、満を持してフル・アルバムをドロップ!!

Writer 村岡 俊介 (DJムラオカ)

KNIFE PARTYを語る前に前身アーティストであるPENDULUMについて触れておこう。PENDULUMは2005年、デビュー・アルバム『Hold Your Colour』をリリース。UKを中心に反響を呼び、23万枚ものセールスを記録。2008年メジャー・デビュー・アルバム『In Silico』をリリース。UKチャートで2位を記録し世界的にブレイクを果たす。ちなみに同年、彼らはSUMMER SONICにて初来日を果たしダンス・テントのヘッドライナーを務めている。2010年、3rdアルバム『Immersion』をリリース。UK総合チャートで1位を獲得する快挙を成し遂げ、またこの年、世界中の30以上のフェスへ出演を果たしている。彼らの名前がロック・シーンに広まるきっかけになったのはLINKIN PARK「The Catalyst」、METALLICA「Master Of Puppets」、そしてTHE PRODIGYの「Voodoo People」など数々のリミックス・ワークだろう。

2012年、バンドは右肩上がりで絶好調に見えた矢先、"2013年はライヴ活動を行わず、新作の制作、リリース予定もない"と中心メンバーのRob Swire(Vo/Synth/Producer)がTwitterで呟きPENDULUMは事実上の無期限活動休止となる。以上がPENDULUMの結成から活動休止までの一部始終だ。

Rob Swire とGareth McGrillen(Ba/DJ) のふたりはPENDULUMの活動と並行して2011年、エレクトロ・ダブステップ・ユニット、"KNIFE PARTY"を始動。同年12月、1st EP『100% No Modern Talking』を自身のレーベルよりリリース。EP収録の「Internet Friends」はオフィシャル、アンオフィシャル含めYouTube上で約3000万再生(2014年11月現在)というモンスター級のアンセム・トラックとなり、一躍シーンのブライテスト・ホープに踊り出ることとなる。翌2012年5月にはSKRILLEXも在籍するWarner Music傘下のBig Beat Recordsより2nd EP『Raga Valley』をリリース。収録されている「Bonfire」も3000万再生を果たし、UKダンス・チャートでも7位を記録している。

そして2013年5月には3rd EP『Haunted House』をリリース。このEPはUSビルボード・エレクトロ・アルバム・チャートにて1位を獲得。そんな彼らはフェスでも大暴れだ。ニューヨークの巨大EDMフェス"Electric Zoo Festival"のメイン・ステージに2012年から3年連続で出演、ベルギーの世界最大のEDMフェス"Tomorrowland's epic 10th Anniversary"ではメイン・ステージのクロージング・アクトへ大抜擢と、ステージ・パフォーマー、プレイヤーとしての評価もうなぎ上り中である。

デビューから3年、バンドは右肩上がりで絶好調のもと、ついに1stフル・アルバム『Abandon Ship』のリリースとなった。そのリリースに先駆け、8月6日に「Boss Mode」のティーザー音源が公開。8月25日には「Resistance」をフリー・ダウンロードにてリリース。さらには9月22日には「Begin Again」をシングル・カット。この「Begin Again」は10月1日にミュージック・ビデオも公開されている。このMVは蛍光灯をライトセーバーに見立て、スター・ウォーズのジェダイの騎士ばりの殺陣がクールな短編SFテイストに仕上がっている。ハイ・クオリティな映像なので未見のかたはぜひチェックしていただきたい。ティーザー、フリーDL、シングル、MV公開と多様なスタイルでフル・アルバムの楽曲を見せていき、満を持して『Abandon Ship』リリースである。KNIFE PARTYはEDMの範疇において語られることが多い。実際その解釈は間違ってはいない。しかし彼らのサウンドはEDM内で括られる他のアーティストとは一線を画している。EDMとは四つ打ちメインのビック・パーティーやフェスティバル、クラブ・パーティーを盛り上げるため、踊らせるためのポジティブなダンス・ミュージックを総称していう。RobとGarethのふたりが創造するKNIFE PARTYのサウンドはポジティブなパーティー感を内包しつつ、同時にストイックで硬質、ラウド・ミュージックに通じる凶暴でダークな耳触りを有するという唯一無二のサウンドに仕上がっている。そういった要素が過去の作品以上に強まっている点にも注目してみて欲しい。

最近日本ではようやくクラブ営業の規制緩和の検討が始まったが、現状はまだまだ風営法でがんじがらめであり、純粋にEDMを楽しめる場所はあまりない。またビッグなEDMフェスも日本ではまだまだ浸透していないのが現状である。そんな日本国内でKNIFE PARTYがプレイできる場所は限られているが、ぜひElectric ZooやTomorrowlandのメイン・ステージ級のパフォーマンスを体験したいものだ。アルバム・リリース後の来日に期待したい。


▼リリース情報

KNIFE PARTY
『Abandon Ship』
[WARNER MUSIC JAPAN]
WPCR-16129 ¥1,980(税別)
NOW ON SALE

[amazon] [TOWER RECORDS] [HMV]

1. Reconnect
2. Resistance
3. Boss Mode
4. EDM Trend Machine
5. 404
6. Begin Again
7. Give It Up
8. D.I.M.H.
9. Micropenis
10. Superstar
11. Red Dawn
12. Kaleidoscope

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