2011年、彗星の如くシーンに現れ、話題をさらったAMARANTHE。シンセ・サウンドを高次元で融合した音楽性、ElizeとJakeの男女クリーン・ヴォーカルとグロウル・ヴォーカルからなるトリプル・ヴォーカル体制で息つく間を与えない展開と美しいヴォーカル・ラインを両立させた、ありそうでなかった斬新なサウンド・スタイルを1stフル・アルバム『Amaranthe』で確立し、シーンに衝撃を与えた。YouTubeにアップされた動画はあっという間にメタル・ファンの間に拡散された結果、1stアルバムのリリース前に初来日公演が即ソールド・アウトという事態を巻き起こし、さらに同年のLOUD PARK 11にはデビューからわずか3ヶ月余りで出演を果たすなど、異例づくしのデビューとなった。

スウェーデンはイェーテボリ出身の彼女たちはそもそも、SOILWORK、DRAGONLAND、NIGHTRAGE、DREAM EVIL、ENGELといったバンドでキャリアを積んだメンバーたちが結集しており、デビューから完成度が高かったこと自体は異例ではなく順当な結果ではあった。しかし、ここまでの話題を巻き起こしたのは、何よりそのコンセプトと楽曲の構成が、まるで特別変異体のようにこれまでのシーンの流れやメタルの発展の枠を大きく飛び越えたことにある。それほどにエポック・メイキングな作品としてAMARANTHEの名を知らしめたデビュー・アルバムから2年でバンドは2ndアルバム『The Nexus』をリリース。確実な新化を感じさせる2ndアルバムとそのリリース・ツアーの中で、影響力と知名度をさらに増し、ドイツの超大型フェスWacken Open Air Festival、ベルギーの大型フェスGraspop Metal Meetingを始めとした大きなステージへと出演するチャンスを得るなど、ファン・ベースを拡大してきた。ここ日本でも『The Nexus』を引っ提げた東京2公演を含む東阪ツアーで3度目の来日を果たした。

そして、前作『The Nexus』からわずか1年で3枚目となるニュー・アルバム『Massive Addictive』のリリースを迎えた。日本盤ボーナス・トラックとして、収録トラック「Trinity」「True」のアコースティック・バージョンを収めるなど、彼女たちの表現力の深化が明らかに見て取れる"進化の1枚"と言って良いだろう。バンドのサウンドの要であり頭脳を司るOlof（Gt/Key)が自ら"たしかに『The Nexus』からはあまり間が空いていないけど、クリエイティヴな意味でのピークを迎えた気が強くした"と語る通り、短期間ながらツアーやライヴを繰り返す中で得られたフィードバックを熱いうちに取り込み、作品に昇華させたことが作品の端々から感じられる。トリプル・ヴォーカルの一角、グロウル・パートのメンバー・チェンジはあったものの、メイン・ヴォーカリストのElize、Jake Eの表現力はさらに深みを増し、バンドの最大の武器であるヴォーカル・ラインが作品全体のクオリティをもう一段上げることに成功していると言って良いだろう。元来得意としていたポップで聴きやすいメロディに加え、ダンサブルなシンセ・サウンドや大胆に取り入れたEDMサウンドにより正常進化を果たしたAMARANTHEサウンドはまさに"Addictive（中毒的）"。LOUD PARK 14での熱狂が容易に想像できる、充実の3rdアルバムが完成した。

AMARANTHE
『Massive Addictive』
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CD
1. Dynamite
2. Drop Dead Cynical
3. Trinity
4. Massive Addictive
5. Digital World
6. True
7. Unreal
8. Over and Done
9. Danger Zone
10. Skyline
11. An Ordinary Abnormality
12. Exhale
13. Trinity
14. True

DVD（デラックス・エディションのみ）
1. Story Of Massive Addictive