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FEATURE

NICKELBACK

2013.11.07UPDATE

2013年11月号掲載

カナダが生んだ世界一のロック・スター、NICKELBACKが初のベスト・アルバムをリリース!

Writer KAORU

累計5000万枚のセールスを誇る、カナダ、バンクーバー出身のモンスター・ロック・バンドNICKELBACKが、2001年以降にリリースしたアルバムの中から、世界的にスーパー・ヒットしたシングルが収録されたベスト・アルバムをリリースする。

『Silver Side Up』(2001年)から3曲、『The Long Road』(2003年)から3曲、『All The Right Reasons』(2005年)から6曲、『Dark Horse』(2008年)から5曲、『Here And Now』(2011年)から2曲、合計19曲とヴォリュームたっぷり、これ以上ないほど満足感のある内容だ。

1995年、カナダのハンナという街で、ChadとMikeのKroeger兄弟とRyan Peakeの3人で音楽活動を始め、1996年にバンクーバーに活動拠点を移し、NICKELBACKの歴史は始まった。因みに、NICKELBACKというバンド名の由来は、Mikeが当時スターバックスでアルバイトをしていた際に使っていた言葉、“Here's your Nickel Back(5セントのお釣り)”から取ったものだそうだ。

1998年に、1stアルバム『Curb』をリリース。地元のラジオ局などのバックアップや、精力的なライヴ活動などによって、バンドの知名度は一気にアップした。そして、映えてロードランナー・レコードとの契約を結ぶに至った。

2001年にはバンドにとって大きな起点となる『Silver Side Up』をリリース。シングル「How You Remind Me」はスーパーヒットし、ジュノー賞の“シングル・オブ・ザ・イヤー”を受賞。グラミー賞にもノミネートされ、ビルボードの年代別ヒット・シングル・チャートにおいても、いわゆるヘヴィ・ロックのバンドでトップを飾った唯一の曲。ロックの歴史における大快挙を成し遂げ、全世界で1000万枚を超えるセールスを記録。NICKELBACKは世界的なバンドとして、その名を知らしめることとなる。

2003年にリリースした『The Long Road』も、NICKELBACK印の哀愁漂うバラード「Someday」という名曲が収録されており、好セールスを記録。そして、2006年にリリースした『All The Right Reasons』では、初の全米1位を獲得し、バンドにとって1番のロングラン・ヒットを遂げ、ビルボードに154週連続でチャートインし、現在もセールスは伸びている。今回のベスト・アルバムの中でも1番多く収録されていることからもわかる通り、全曲がシングル級の完成度を誇っており、実際にアルバム全11曲の中から、7曲がシングル・カットされている。名バラード「Photograph」は、NICKELBACKにとって「How You Remind Me」と並ぶ代表曲として認知され、今尚、オルタナティブ・ヘヴィ・ロック・バラードの頂点として君臨しているのだ。また、このアルバムではZZ TOPのBilly Gibbonsが「Follow You Home」でコーラスとして参加している。

それから3年が経った2008年、プロデューサーにAC/DCやDEF LEPPARDを手掛けたRobert John "Mutt" Langeを迎え、6枚目となるアルバム『Dark Horse』をリリース。それまでのNICKELBACKは土臭い印象の音質であったが、『Dark Horse』ではとてもクリアに改善され、これぞスタジアム・ロック!と言うべき壮大なロックンロールで新たなヘヴィネスを提示した。セールス的には『All The Right Reasons』や『Silver Side Up』には及ばずとも、全米で220万枚のセールス。2009年には本作を引っ提げて来日し、新木場STUDIO COASTにて熱狂のライヴを行った。メンバーも、この来日公演はとても心に残っていると語っている。翌年の2010年にもSUMMER SONICに出演を果たし、日本のリスナーにとって、NICKELBACK熱が一気に上がったとても重要なアルバムである。実際に日本ではNICKELBACKのアルバムの中で『Dark Horse』が1番売れていて、チャート17位を獲得している。

そして2011年、NICKELBACKにとって最新のオリジナル・アルバム『Here And Now』がリリースされた。これまでの作品の中で、最もド直球なロック・アルバムであると共に、とてもバラエティに富んでいる。『Here And Now』に伴う世界ツアーは規模が拡大され、ロシアやアブダビといった地にまで及び、本人たちの予想を上回る動員となった。日本では、初めて武道館でライヴを行い、熱狂の渦を巻き起こしたことは記憶に新しい。

良い曲を書き続け、良いライヴをやり続ける。極めてシンプルなことだが、極めて難しいことを、彼らは着々とやり続けている。武道館公演の直前にインタビューした際、彼らはこう語っていた。“成功の重圧に押しつぶされることはなかった。いつでも冷静に、我が道を進んできただけだ”と。その揺るぎない信念と、圧倒的な才能、バンドとしての底力が、NICKELBACKを世界一のバンドたらしめている所以だ。

NICKELBACKにとって初めてのベスト・アルバムとなる『The Best Of Nickelback Volume 1』は、そんな彼らの歴史を総括し、栄光の軌跡を辿ることが出来る。“ロック・スターって、こういうことだよね”と、誰もが納得し、長く愛され続ける作品となるだろう。

また、本作が“Volume 1”であるということは、“Volume 2”のリリースもあるのだろう。まずは“Volume 1”を聴いて、嬉しい続報を待つこととしよう。

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