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FEATURE

BIG CHOCOLATE

2011.08.10UPDATE

2011年08月号掲載

今一番聴くべき、 スーパー・ハイブリッド・エレクトロ “BIG CHOCOLATE”

Writer KAORU

今回ご紹介するBIG CHOCOLATEは、現代のエレクトロ/ダブステップ好きに最も注目されているアーティストである。BIG CHOCOLATE(本名Cameron Argon)は、デス・メタル・バンドのヴォーカリストでもあり、プロデューサー、リミキサー、トラックメイカーとしても、メタル・バンド界隈で活躍している22歳。SUICIDE SILENCE、ARCHITECTS、ATTACK ATTACK!などのリミックスで名を上げ、ラッパーのGrievesとコラボレーションしたシングル「HiLion Featuring Grieves」は、既にiTunesのダンス・チャートで6位を記録しており、本国でもEPをリリースしているのだが、今回は日本独自企画盤として14曲入りのフル・アルバム『HiLion+Shacka Brah』をリリースする。

『HiLion+Shacka Brah』は、あくまでエレクトロ・アルバムではあるが、やはりメタルを通過したからこそのトラック作りであることが随所に感じられる。例えば「I Don’t Know You」のキックはツーバスを連想させるし、「Byelion」には歪んだギターの音を取り入れているし、ベースは常にブリブリでとてもエグい。もちろん、みんなが大好きなブレイクダウンも十分に入っている。とにかく、一発一発の音が、物凄い強度をもって放たれているのだ。
しかし、BIG CHOCLATEの魅力の本質はもっと深いところにある。グライム的なラップにスクリームを混ぜ合わせ、異色のグルーヴを放っている「King Know」などを聴けば分かるだろうが、『HiLion+ShackanBrar』に収録されているトラックは、単純にメタルとエレクトロを齧った程度では絶対に作れないものばかりなのだ。流行のエレクトロ・メタルを含む現代的なメタルはもちろん、ドラムンベース、ブレイクビーツ、ダブステップ、エレクトロ、フィジェットハウス、テックハウス、グライム、ヒップホップ、ダンスホールレゲエなどなど、Camelon Argonはありとあらゆるダンス・ミュージックを研究した上で、この突出した現代性を放ったアルバムを産んだのだろう。

SUICIDE SILENCEのMitchとのプロジェクトCOMMISSIONERは、デス・ステップとでも言うべき極悪なダブステップに徹していて、こちらも興味深く素晴らしい作品だ。是非ともこのBIG CHOCOLATEのアルバムをセットで聴いて、Camelon Argonの才能の本質を堪能して欲しい。


COMMISSIONERに関する、BIG CHOCOLATEのインタビューはこちら!>>

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