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FEATURE

HATEBREED

2009.05.03UPDATE

偉大なる獣王たちへ最大級のリスペクト!HATEBREEDによるカヴァー・アルバム『For The Lions』リリース!!

Writer ムラオカ

最近やたらとカヴァー・アルバムやらカヴァー・ソングなどが巷に氾濫していて、このニュースを聞いたときにも正直あまり新鮮味を感じなかったのを覚えている。
しかしこのアルバムのカヴァー・トラックリストを見て納得し、さらにはCDプレーヤーで聴いてみてさすがはHATEBREEDと唸らされた。

エクストリーム・ミュージックを聴くものにとってHATEBREEDを知らない人間の方がマイナリティな気もするが、この秋には待望のニュー・アルバムのリリースも控えているので念のため彼らの歴史を簡単におさらいしておこう。 
95年コネチカットにて、Jamey Jasta(Vo)が中心となり結成。96年にEP『Under The Knife』をリリースし、すでにこの頃からアンダーグラウンドでは圧倒的な存在感を放っていたようだ。97年には、1stアルバム『Satisfaction Is The Death Of Desire』、そして少し時間をおき02年には2ndアルバム『Perseverance』をリリース。このアルバムはエクストリーム系としては衝撃のビルボード初登場50位を記録。その後、<BEAST FEAST 02>、それに伴う単独ジャパン・ツアーで初来日を果たした。03年の夏からMTVで復活したメタル番組<HEADBANGER'S BALL>のホストとしてJameyが抜擢された。同秋の3rdアルバム『The Rise Of Brutality』はビルボード初登場30位にチャートイン、06年4thアルバム『Supremacy』をリリース。そして<OZZFEST 2006>ではついにメイン・ステージに登場。08年KOCH Records(現E1 Music)と契約を結び、同年自身初のライヴDVD『Live Dominance』をリリース。ビルボードDVDチャートで初登場1位を獲得した。09年2月には2年間活動を共にしてきたSean Martin(Gt)が友好的に脱退。オリジナル・ギタリストで、脱退後もギター・テクとしてバンドを支えてきたWayne Lozinakが復帰した。そして今作、自身のルーツとしてリスペクトするハードコア/メタル・バンドの名曲をプレイした初のカヴァー・アルバム『For The Lions』を5月にリリースする。

このカヴァー・アルバム『For The Lions』だが、妥協なき収録バンド、セレクトが非常に濃い、そして熱い。アルバム冒頭一曲目からSLAYER!それも『South Of Heaven』からのセレクト、そしてMETALLICAのカヴァーも『Ride The Lightning』のTrack6「Escape」という絶妙なセレクトだ。彼らがハードコアだけでなく筋金入りのスラッシャーだったのだと思い知らされる。さらにはデス・メタル・バンドのOBITUARYのセレクトも興味深い。彼らがハードコアというジャンルに縛られずにヘヴィでエクストリームなサウンドに貪欲な少年時代を過ごしてきたということが想像できる。
またHATEBREEDサウンドの中核を成しているハードコア・シーンの先輩格にあたるMADBALL、AGNOSTIC FRONT、SICK OF IT ALL、MERAUDERなどのカヴァーは、意外性はないがさすがに堂に入っており、カヴァー曲を完全に自分のものしており凄まじくかっこいい出来だ。
そしてホラー・パンク・バンド、MISFITSの「Hatebreeders」収録には思いっきりニヤリとさせられる。また日本盤のみNYハードコアの伝説、SHEER TERRORのカヴァーをボーナス・トラックとして収録している。
プロデュースは、長年HATEBREEDの作品でタッグを組んできたハードコア・シーンで最も著名なプロデューサーであるZeussによるものだということだけでも、熱のこもったカヴァー・アルバムだということが想像に難いのではないだろうか。

冒頭にも書いたように、この秋には待望のニュー・アルバムのリリースも控えているHATEBREED。まずはこのカヴァー・アルバムを聴いて新生HATEBREEDサウンドを待とうではないか。

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