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COLUMN

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第六回

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第六回

JESSE:その前に、"コブシ"っていうバンドをやってたんですけど、ギターはパワー・コードのみで。構成とかちゃんと作ってグルーヴを練習するってなったのは、あっくん(金子ノブアキ/Dr)と初めてスタジオ入ったときで、あっくんがギターで俺がドラムだったんです。

日高:逆だったんだ、最初は。

JESSE:そう、俺がジャズ・バンドでドラムやってたので。

日高:あっくんとしても、普段からドラムはお腹いっぱいだしね。

JESSE:そう、親父がドラマーだったし。俺は親父、ギターだし。それで、五反田のPENTAっていうスタジオに入るんですけど、毎回寝ちゃうんですよ(笑)。

-何でまた。

JESSE:1時から5時って、深夜だからスタジオ代が安いじゃないですか。それで、15歳くらいの俺らは行くんですけど、学校もあるから眠くなって寝ちゃって(笑)。

日高:はははは。

JESSE:"これもしかして、パートが違うんじゃねえか?"って言って。あっくんドラムやってみって言ったら、あっくん寝ずに叩きだして。

日高:うまいよね。

JESSE:5年くらい家でずっと、ドラム・パッドを叩いていて。スタジオで初めてドラム・セットの前に座って、叩けたんですよ。ひとつだったドラムパッドがこんなにある!っていうので。

日高:楽しいわけだ(笑)。いい話だね、それは。

JESSE:あっくんは最初から叩けたから、じゃああっくん、ドラムじゃんって(笑)。俺ギター頑張るよって。

日高:たしかに、世間のイメージ通りにいくのは最初はイヤだもんね。いくらお父さんがギターで有名でも、それをなぞってるっていうのは。

JESSE:未だに、超えられる気がしないし。彼らの位置っていうのはほんとに、上手い下手ではないんです。

日高:うん、もちろん上手いんだけどね(笑)。でもたしかにあのギターを弾けるのはCharさんしかいない。しかもムスタングっていうすごく弾きにくいギターで、すごいソロを入れるっていう(笑)。バンドをやるようになると、逆にCharさんのすごさがわかるよね。

JESSE:わかりますね。俺が、25歳になったときに親父が、"ひとつ、お前が羨ましいところを教えてやるよ。俺はバンドマンになりたかったのにギタリストになっちゃったんだよ"って。"お前は、バンドマンだよな?"って言われて。そこくらいから、俺はバンドマンにもっと熱が出始めたんです。

日高:ああ、わかる。

JESSE:俺は逆にプレイヤーとして、個人としてうまくならないととか、スキルを上げないとって思っていたんだけど、25歳のときのそのひと言で、俺はバンドマンでいいんだって思った。

日高:いい台詞だね、それは。Charさんとしては、ピンククラウドをパーマネントでやりたかったんだろうしね。

JESSE:未だにそう言ってるし。

日高:でも世間的には、Charさんのソロを聴きたいっていうお客さんのニーズも高かったろうしね。そういうひとつひとつがJESSEを形成してるんだ。でもきっと、最初にRIZEとして出てきたときのインパクトと、言い方は悪いけどチャラいやつって思われてることで、損したこともあったでしょ?

JESSE:ああ。でも最初に損したからよかったかな。

日高:実際、若さもあったしね。

JESSE:プラス、自分がこれを集中して極めようって思えることが多すぎて。スタイル、カルチャー、ギター、ラップとか。

日高:作詞作曲とか。いろいろあるもんね。

JESSE:例えばJames Iha(ex-THE SMASHING PUMPKINS)みたいに、俺はこうなんだよってこだわれたなら、違うスタートが切れたかもしれないけど。フロントマンとして、チャラいってバカにされても、ガツガツ前にいくんだっていうのを、よくやれたなとは今自分でも思う。あのころ、すごい自信に溢れてたんですよ、何も自信なかったのに。大丈夫っしょっていう。

日高:若さゆえのね。大体、そういう人って1回上がっていくとメンタル壊して、途中でブレイクダウンしちゃうけど。JESSEの場合、それがないもんね。まあ、周りが知らないだけで、本人の中では葛藤はあったのかもしれないけど。

JESSE:ポジティヴな方です。

日高:そういうのを見せずにやってるというかね。同年代だったら、みんなね、1回心壊してるでしょ。やっぱり頂点にいくことで、プレッシャーだったりとか、外野のヤジも多いしね。アンダーグラウンドでも、お客さんのヤジはあるけどそれは愛のあるヤジだったから。"早くやれよ、ばかやろう"みたいなね。それが急に注目を浴びることで、聴きたくないノイズが入ってくる。しかも2chみたいなネット上のものも増えてきて。そういう意味では、ポジティヴな感じだね。

JESSE:ポジティヴかもしれない。街を歩いていても気づいてくれるし、知られているとは思うけど、やっぱり、1位をとったことがないから。ハイスタとか、BRAHMANの悩みっていうのは、まだ経験はできてないと思う。それをしたら、壊れてしまうだろうなと、今なら大丈夫だけど。若いときにあったら、わからなくなっていたと思う。

日高:我々世間一般からすると、てっぺんとってた印象あるけどね(笑)。そういう感じじゃなかったんだね。まあ、親父がでかすぎるっていうのが、逆によかったのかもね。

JESSE:そうかもしれない。"いやいやまだまだ"っていう性格なんですよ。

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【日高 央の1枚】

  DAVID BOWIE
『Ziggy Stardust:The Motion Picture』
 (1983)

【JESSEの1枚】

  Jimi Hendrix
『Live At Woodstock』
 (1999)