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COLUMN

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第四回

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第四回

日高:なるよね。俺もビークル時代、移動型フェスを自分たちで決めちゃって5年くらいやったから。毎年会場を変えたせいで人件費も場所代も上下するし、機材費も固定しなくて。初が新木場STUDIO COASTだったんだけど、場所代とか分かってるからわりとすんなりいって、調子乗って翌年淡路島でやったらセッティングと人件費が異常にかかっちゃって。で翌年またコーストに戻して、最終的には地元の千葉の野外で THE ALFEEとかTUBEが1回やった場所だったんだよね......ここならいいだろうって決めたんだけど、TUBEがやったときにはなかった老人ホームができてて、まずそこに菓子折りを持ってご挨拶に行くとこからスタート。だから、結局人間関係なんだよね。機材屋さんにどれくらい交渉して安くしてもらうか、とかね。あれを20代でやったってのはすごいよ。

猪狩:でも俺はわがまま言っただけで、周りのチームがほとんど頑張ってくれたんで、全然。

日高:思ったより上がりがないんだよね。さっき言ってた"AIR JAMどんだけ儲かった"と同じ理屈だよね。Tシャツが莫大に売れても会場費で半分以上食われてたりとか。

猪狩:我々はリアルにないですからね。ゼロですよ。スピーカーもこれじゃなきゃ絶対嫌だって言って、楽屋もしっかりしたものにしようって惜しみなく全部いい感じにしたし。前の週にやってたRUSH BALLと同じ会場だったんでそれ借りても良かったんですけど、1回全部潰して別のステージ建ててやったんで、余計にね。でもそうしたかったんですよね。

日高:えらいね。でもその意地をはらないとバンドやってる意味ないって考えてるとこが、我々の世代と通じてるところかもね。揺り返しなんだろうけど、きっと。申し訳ないけど、猪狩君の青春時代のバンドたちがひよってたんだろうなと思う。でもそんだけ器用だと楽曲提供とかの話こない? そういうのやる気ないの?

猪狩:きます。し、やります。実は普通にバンドに曲あげたりしてるんですよ。そのバンドが自分たちの曲としてやってるんで、誰かはあんまり言えないんですけど(笑)。

日高:へー。ゴーストライターだ。

猪狩:俺、全然人に曲書くのとかもオッケーで、その人が自分の曲としてやっててもいんですよ。いい曲が聴きたいだけで。あとお金くれれば別に(笑)。俺、ほんまは人に曲書いてみたくって。その人が歌ってるときに"俺やったらこんなふうに歌って欲しいねんけどな~"って思うときよくあって。勝手に自分で書いて満足してるときあります。

日高:妄想でね。じゃあYUKIちゃんが歌ったら......みたいなこと想像しながら?

猪狩:そうなんすよ。俺ローラが好きなんですけど、ローラ、ダンス・ナンバーみたいな曲出してるんですよね。でもロックを歌って欲しくてメール送りましたからね(笑)。自分はこんなことやってて、ローラの歌声聴きたいんですけど、よかったらCD出さないんですか?って。

日高:それさ、もしこっち界隈の音が好きなスタッフとかがいたら引くよね(笑)。

猪狩:(笑)日高さんは楽曲提供いっぱいするでしょ?

日高:木村カエラにプロデュースで楽曲提供して以来少しずつやらせてもらってるね。女子からの引き合いがすごい。俺は男性アイドルとかもやってみたいんだけど。

猪狩:アイドルが基本なんですか?

日高:アイドルが多いね。女性のミュージシャンはやっぱ自分で曲書くからさ。1回(椎名)林檎ちゃんのカバー・アルバムでプロデュースしてくれって話があったんだけど、それはあくまで林檎ちゃんが書いた自分の曲のセルフ・カバーを他人がアレンジするっていう。それはやっぱ面白かった。女性って男性と違って、スタジオにもちゃんとおめかしして来るんだよね。そのときはドキュメント撮るとかも何もなかったんだけど、林檎ちゃんはちゃんと50's っぽいドレス着てヒール履いてきてて。お客さんもいない、俺たちしかいないレコスタで。それ見て勉強になったというか、" ちゃんとしないとダメだ"って。

猪狩:俺、完全にスウェットにクロックスですわ。

日高:でしょ(笑)? 普通そうじゃん。でも女子ってそこちゃんとしてるんだよね。それはアイドルの人たちもそうだもんね。男ってやっぱり隙だらけで力技なんだな、って(笑)。

猪狩:おしゃれ感がないんですね(笑)。

日高:ゼロだね。人前に出るときだけ頑張ってるけど。俺、嫁がアパレルの仕事してたから、上から下まで嫁の言う通りに着てるだけだもん。

猪狩:俺それがいいです~。でも日高さん会うときいつもおしゃれやなって思いますよ。

日高:言われるがままだから、たまに自分発信で"これ買いたいんだけど"って言うと強烈なダメ出しをくらって(笑)。

猪狩:うわーめっちゃうらやましい、俺もローラにそれして欲しいです(笑)。

日高:まずはじゃあ楽曲提供からだね。ローラの音楽プロジェクトを激ロックから発信しよう。

-ローラはなかなか繋がりがないですけどね(笑)。でもまずは公で言わなきゃ始まらないですからね。

日高:吉本の女芸人とかならすぐに到達しそうだけど(笑)。

猪狩:この前後輩のDizzy Sunfistっていうバンドのアレンジを少しと音のプロデュースをやったんですよね。それはやっぱ楽しくて。

日高:楽しそうだよね。それをお金にしようという気が出てきたら、おじさん的にはいいことだとは思うよ、ヘイスミ的にそれがいいのかどうかは別として。でもいずれその壁に直面してくるよね、この先。

猪狩:でも俺、お金大好きなんで。

日高:関西人だから商売っ気はあるんだよね。難波の商人魂(笑)。

猪狩:そうですよ。負けてなんぼですからね。

日高:でもヘイスミってそれをお金に変えるの下手そうだよね~......(笑)。

猪狩:ははは! そうなんかな~。

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【日高 央の1枚】

  Ian Dury
『New Boots And Panties!!』
 (1977)

【猪狩 秀平の1枚】

  NO USE FOR A NAME
『Hard Rock Bottom』
 (2002)